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ナラティワート警察署前など2カ所で爆弾 1人死亡、12人けが

2016年4月25日(月) 23時33分(タイ時間)
【タイ】タイのテレビ報道によると、25日正午ごろ、タイ深南部ナラティワート県ナラティワート市の市警本部前など2カ所でバイクに仕掛けた爆弾が爆発し、民間人の男性(25)が死亡、警官と民間人12人がけがをした。

 隣県のヤラーでは同日午前11時ごろ、男性2人が乗ったピアックアップトラックが別のピックアップトラックから銃撃を受け、道路脇の電柱に衝突し、2人とも死亡した。また、24日午後10時ごろ、農協事務所を警備中の自警団員の男性が銃で撃たれ死亡した。

 いずれもタイ深南部の分離独立を目指すマレー系イスラム武装勢力の犯行とみられている。

 深南部のマレー系イスラム武装勢力によるテロは一時沈静化していたが、今年2月から再び悪化。3月13日にナラティワート県の病院に武装した数十人の男が押し入り、隣接する軍駐屯地に銃撃を加える事件が起きたほか、同29日にはナラティワート県で警察のピックアップトラックが走行中に銃撃を受けて道路脇の木に激突し、警官3人が死亡、6人が重軽傷を負った。今月19日にはソンクラー県のタイ国鉄ターペーク駅前でバイクに仕掛けた爆弾が爆発し、近くの食堂にいた男性が死亡、警官、女児ら11人がけがをした。

〈タイ深南部〉
 マレーシアと国境を接するタイ深南部(ナラティワート県、ヤラー県、パタニー県の3県とソンクラー県の一部)には、もともとイスラム教徒の小王国があったが、1902年にタイに併合された。現在も住民の大半はマレー語方言を話すイスラム教徒で、タイ語を話せない人も多い。タイ語、仏教が中心のタイでは異質な地域で、行政と住民の意思疎通が不足し、インフラ整備、保健衛生などはタイ国内で最低レベルにとどまっている。
 深南部のマレー系イスラム教徒住民によるタイからの分離独立運動は断続的に続き、2001年から武装闘争が本格化。2004年4月には警察派出所や軍基地を襲撃した武装グループをタイ治安当局が迎え撃ち、1日で武装グループ側108人、治安当局側5人が死亡した。同年10月にはナラティワート県タークバイ郡で、住民の逮捕などに反発したイスラム教徒住民約3000人が警察署前で抗議デモを起こし、治安当局による発砲などで7人が死亡、約1000人が逮捕され、逮捕者のうち78人が軍用トラックで収容先に移送される途中、窒息死した。両事件でマレー系イスラム教徒住民のタイ政府への反発は強まった。
 タイ政府は常時10万人以上の兵士、警官を深南部に送り込み、力で鎮圧を図ってきたが、現在も銃撃、爆破、放火事件が頻繁に起きている。
 タイ国立プリンス・オブ・ソンクラー大学南部情勢監視センター(ディープサウス・ウォッチ)によると、2004―2015年にタイ深南部4県で発生したテロは1万5374件で、6543人が死亡、1万1919人がけがをした。
 2015年はテロ件数674件、死者246人、負傷者544人と、いずれも過去12年で最も少なかった。テロの内訳は銃撃299件、爆破224件、放火31件など。県別ではナラティワート県243件、ヤラー県207件、パタニー県198件、ソンクラー県26件。死者は一般市民120人、兵士31人だった。
《newsclip》


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