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英原発計画に不透明感、中国資本の独力整備も視野に

2016年5月17日(火) 09時41分(タイ時間)
【中国】中国企業などが進める英ヒンクリー・ポイント原発(C期)に、プロジェクトの遂行をめぐる不透明感が強まってきた。

 全体の投資額について、事業主体でフランス政府傘下のフランス電力公社(EDF)がこのほど、当初見込みの180億英ポンドから210億英ポンド(約3兆2700億円)に16%拡大するとの見通しを示したため。単一の原発プロジェクトで世界最高額を更新する見込みだ。スケジュールも10年延期する。完成予定も、これまで計画していた2027年から先送りされるという。参考消息網が15日に伝えた。

 反原発の機運が広がるなか、ヒンクリー・ポイントCの投資予定額は膨らみつつある。複数のネガティブ材料も浮かび上がってきた。個人株主の多くも、ヒンクリー・ポイントCの建設に反対だという。EDFは計画の撤回に迫られる恐れもある。

 こうしたなか、事業主体が中国に変わる可能性が浮上してきた。電力不足問題の解消を優先し、英国政府は原発プロジェクトを堅持する立場。EDFを介さずに、中国にイングランド南西部サマセット州で同原発の建設を独力で遂行させる事態もあり得るという。その際は、中国製の原発が採用されることは確実だ。

 原子力発電を推進する国策企業の中国広核集団(CGN)は15年10月21日、英国で原発整備プロジェクト3件を共同推進することで事業主体のフランス電力公社(EDF)と覚書を交わした。対象はサマセット州のヒンクリー・ポイント原発(C期)、サフォーク州のサイズウェル原発(C期)、エセックス州のブラッドウェル原発(B期)。60年間の稼働を想定するヒンクリー・ポイント原発(C期)には、フランスなどが開発したEPR(欧州加圧水型炉)を採用する。245億ポンを投じて出力175万キロワットの原子炉2基を設置する計画で、出資比率はEDFが66.5%、中国側が残り33.5%。第1期は180億ポンドを見込んでいた。英国に新設する通用核能国際有限公司(General Nuclear International)を通じ、CGNをはじめとする中国企業が33.5%を出資する。

 低炭素化社会の実現を目指す英国は、原発推進に路線を転換した。ヒンクリー・ポイント原発(C期)の発電能力は、同国電力需要の7%を満たす。毎年900万トンの二酸化炭素排出が減る。現地で900人の雇用を生む。建設期間中は延べ2万5000人分の雇用がもたらされる見通しだ。

 サイズウェル原発(C期)の詳細はまだ決まっていないものの、出資比率はEDF80.0%、中国側20.0%が想定される。EPR原子炉を採用する方向。一方、エセックス州のブラッドウェル原発(B期)に関しては、フランスの技術を取り入れた中国産最新原発「華竜1号(HPR1000)」が導入される見込みだ。投資の主導権も中国側が握る。CGNが66.5%、EDFが残り33.5%を出資する予定だ。CGNが防城港原発(広西チワン族自治区)で整備する第3世代電子力発電所をモデルとして、新たに整備する意向という。技術審査に2年、プロジェクト決定に2年を要することから、同原発の着工は早くても2019年となる見通しだ。

 中国が“自主開発”と主張する「華竜1号」はPWR(加圧水型原子炉)。CGNと中国核工業集団公司(CNNC)の国有2大原発企業が共同で開発した。CGNが持つCPR1000(フランス系)の改良第3世代炉「ACPR1000」技術とCNNCが自主開発した第3世代炉「ACP1000」技術を融合。重大事故の予防措置などを強化した。
《亜州IR株式会社》

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