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中車の地下鉄車両に亀裂、シンガポールで大規模リコール

2016年7月8日(金) 14時08分(タイ時間)
【シンガポール】中国中車(1766/HK)の傘下企業がシンガポールに納入した地下鉄車両に、亀裂が入るなどの不良が確認された。

 中車青島四方機車車両公司が製造した「C151A型」車両で、14年までに納入した35編成のうち、26編成(74%)の車体に問題があったという。報道を受けて青島四方機車は6日、リコール(回収・無償修理)に応じたことを認めた。

 中車側の説明によると、アルミ合金形材の原材料の質に問題があったという。分析の結果、安全上のリスクがないことは確認済みだが、中車側が自主的に修理を申し出た。問題の車両はすでに青島市の工場に搬入され、修理が進められている。

 一部メディアでは、中国の鉄道車両メーカーによる海外でのリコールはこれが初めて。中国まで持ち帰って修理を行うのは異例――と報じられている。青島四方機車は香港地下鉄などにも車両を納入しており、同様の問題の発覚を懸念する声も聞かれる状況だ。

 今回の大規模なリコールがもたらす経済的な損失について、中車側は特に言及していない。ただ、各国の鉄道車両メーカーが激しい競争を展開するなか、これまで価格競争力を武器に受注を獲得してきた中車だが、製品の信頼性の面で大きな傷を負ったと指摘されている。鉄道など設備製造業の「走出去(海外進出)」政策を掲げる中国政府にとっても、今後の動向が気になる問題となろう。

 青島四方機車は2009年、川崎重工業(7012/東証)とのコンソーシアムを通じ、シンガポール陸運庁から地下鉄車両を受注。青島四方機車が完成車両の製作を担当し、川重がプロジェクト全体の統括、台車や主要機器の供給を行った。納入した車両は、現地の地下鉄南北線、東西線に投入されている。

 中車は15年の再編で誕生した鉄道車両製造の世界最大手。機関車、客車、貨車など各種鉄道車両の製造を手がける。前身の「中国南車」が「中国北車(旧6199/HK)」を吸収合併した後、15年6月に社名変更。北車は同5月20日引け後に上場を廃止している。海外進出に意欲的。中国政府が進める「鉄道輸出」戦略の先鋒として、世界各地に鉄道車両を納入している。
《亜州IR株式会社》

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