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深南部ルポ-1 ラマダン終盤で十数カ所 テロ続発に揺れるタイのイスラムの地-2

2016年8月9日(火) 23時54分(タイ時間)
混乱する爆発現場を片付ける警官の画像
混乱する爆発現場を片付ける警官
この数年で最大規模だったヤラー中心部で発生したカーボム(2014年)の画像
この数年で最大規模だったヤラー中心部で発生したカーボム(2014年)
■お粗末な警戒態勢、信用されない当局

 ラマダン終盤で連続発生したテロのうち、7月5日午前に起きた検問所でのカーボムは、バンコクから飛行機でハジャイに飛び、空港から車でパタニーに移動する途中の同県ノーンチック郡で起きていた。到着したときには消火作業は終わっていたが、爆弾が仕掛けられた車の残骸などはそのままで、軍と警察による現場検証が続いていた。

 検問所は、タイ南部最大都市ハジャイと深南部各県を結ぶ動脈ともいえる幹線道路、往復4車線の国道41号線沿いにある。陸軍と警察が24時間体制で共同管理、全ての車を停めて警戒を続ける。

 そもそも地元安当局は6月下旬、カーボムに警戒するよう住民に呼びかけていた。これまで盗難に遭った車の種類や台数をもとに、カーボムが複数起こる可能性を指摘していた。その矢先、こともあろうに検問所でカーボムが発生、兵士や警官が自ら死傷する失態を演じた。

 規制線の外から車の残骸や焼け跡を一通り撮って、パタニー市内に向かう。兵士や警官が24時間目を光らせている検問所で、どうやってカーボムを起こせるのか不思議に思っていると、パタニー市内で活動するレスキュー隊の隊長が、ニヤニヤしながら説明してくれた。「当局の説明はこうだ。検問で全ての車が徐行している中、1台のピックアップがさりげなく車列からそれて路肩に駐車した。ドライバーは中から出てくると突然走り出して車道を横切り、対向車線を走っていた仲間と思われる車に飛び乗り、あっという間に去っていった。その直後爆発だ」。あまりにお粗末な警戒だが、隊長はそもそも当局の説明を信じていないようだった。

 一般住民の反応も同じだ。「軍や警察などが狙われるテロが多いが、不自然な状況が多々目につく。いつもは兵士だ警官だ10人も20人もごちゃごちゃいるくせに、爆破や銃撃される日に限って最少人数だったり、誰もいなかったりする。あまりにタイミングが良すぎて笑ってしまう」と口にする。自作自演とは断言しないが、その疑いをほのめかす。住民の当局に対する信頼は決して高くない。
《newsclip》


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