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パタヤの観光バブルの中で 変わりゆく東部

2016年11月8日(火) 22時25分(タイ時間)
夕暮れのパタヤビーチの画像
夕暮れのパタヤビーチ
ビーチでくつろぐ欧米からの旅行者の画像
ビーチでくつろぐ欧米からの旅行者
 ここ数年、タイ東部のビーチリゾートのパタヤ、特に市中心部は観光客があふれんばかりだ。メインゲストは圧倒的に中国、次にインド、そしてハイシーズンになるとロシアが加わる。

 国別に観察するとだいたいのところ、中国人は朝から昼までマリンスポーツ、観光、買い物。夕方からはショー見学、夕食をはさんでタイ式マッサージなどなど盛りだくさん。インド人は、昼間はもっぱら観光中心で夜は安い衣料を大量購入。ロシア人にはアドベンチャー系のアトラクションが人気。また、キヤノンの一眼レフやサムスンのスマホなどを購入して母国で転売、その利益で再度パタヤに、という個人リピーターも増えているらしい。

 観光客が増加する中で廃れてしまっているのが高級レストラン、小規模タイ式マッサージ店、洋服の仕立屋だ。一昔前はどこもそこそこ流行っていたのが、最近は彼らの上客である西欧や北欧からの観光客が確実に減ってしまい、閑古鳥が鳴く店が多い。

 中国人は同胞経営で団体貸切りの中華料理店を、インド人はインド料理や安いタイ料理の店などを利用する。ロシア人はファストフードの利用度が高く、コンビニ料理で済ませることもあり、食事に時間とお金をかけない傾向が見受けられる。

 タイ式マッサージは最近、一度に大人数を受け入れることが可能な大型店ばかりが繁盛しているようだ。小規模で古い店は、権利譲渡で経営者がめまぐるしく変わり、サービスも悪くなる一方だ。仕立屋も衣料の安い国から来る観光客には全く興味がないのだろう。

 昼はゆっくりマッサージ、夜は時間をかけて豪華に食事、お土産にはオーダーメイドのスーツやシャツに革のコート。優雅にパタヤビーチを楽しんでいた彼ら裕福客は、一日中遭遇する騒がしい団体客に嫌気がさし、どこかに行ってしまった。

 1970年代のベトナム戦争時、米兵の休息地として栄えたパタヤビーチ。今でもその面影を残し、昼間は質素に余生を送る退役軍人風や年金生活者風の欧米人も多く見かける。しかし町中の看板と広告には中国語やロシア語が氾濫し、インフラ整備は全く進まない。ますます殺伐としてきたこの雰囲気にパタヤ市が目指す「未来のビーチリゾート像」は思い浮かばない。

Panorama International Marketing Co., Ltd. 筧由希夫
《newsclip》

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