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大僧正選出から高位仏僧締め出し タイ軍政が法改正

2017年1月4日(水) 02時51分(タイ時間)
大僧正代行とプラユット首相の画像
大僧正代行とプラユット首相
写真提供、タイ首相府
【タイ】タイ軍事政権が設置した非民選の暫定国会「立法議会」は12月29日、タイ仏教僧団(サンガ)の最高指導者、大僧正(ソムデートプラサンカラート)の選任を国王に一任する法改正を賛成182票、反対0票で可決承認した。

 現行のサンガ法では、高位の僧侶で構成されるタイ・サンガ最高評議会が大僧正候補を選出し、首相が候補者の任命を国王に要請、国王が任命するとされていた。今回の法改正で、サンガ最高評議会は候補者選出の課程から締め出される。サンガ主流派は法改正に反発し、軍政との対立を深めている。

 先代の第19代大僧正は2013年に100歳で死去した。これを受け、サンガ最高評議会は2016年1月、パクナムパーシージャルーン寺の住職で大僧正代行を務めるソムデートプラマハーラチャマンカラージャーン僧(91)を次期大僧正候補に選出した。しかし、プラユット首相は仏教界内部の対立などを理由に、国王に対する大僧正任命要請を拒否。同年2月には、タイ中部の仏教施設に集まった大僧正代行支持派の僧侶数千人が、大僧正任命の手続きを遅滞なく進めるよう軍政に要求し、集会を阻止するため派遣された兵士ともみ合う騒ぎとなった。同年3月には、大僧正代行が所有する1953年製のメルセデス・ベンツのクラシックカーが、不正な方法で輸入されたとして、タイ法務省特捜局(DSI)に押収された。

 大僧正代行をめぐっては、新興仏教団体タンマカーイ寺との関係も取り沙汰されている。

 第19代大僧正は1999年、タンマカーイ寺の教祖、プラタマチャヨー僧が信者から寄付された2・4平方キロの土地や現金を自分名義にしていたことなどを問題視し、同僧を強制還俗させるべきと記した手紙をサンガ最高評議会に送った。しかし、大僧正はその後、体調を崩して指導力が発揮できなくなり、サンガ最高評議会は2006年、プラタマチャヨー僧が寄付された土地、現金の名義をタンマカーイ寺に変更したとして、この問題を不問に付した。タンマカーイ寺は2012年に、パクナムパーシージャルーン寺に重量1トンの黄金像を贈っている。

 2015年には立法議会、2016年にはDSIが、サンガ最高評議会に対し、大僧正の意思を尊重し、プラタマチャヨー僧を強制還俗させるよう要求したが、サンガ最高評議会はいずれも却下した。

 2013年にはタンマカーイをめぐる新たなスキャンダルが発覚した。バンコクのクロンジャン信用協同組合の元理事長が在任中に信組の預金額のほとんどにあたる120億バーツ以上を横領した事件で、元理事長が横領した金10億バーツ以上をプラタマチャヨー僧らタンマカーイの僧侶と寺に寄付したことが判明。2016年、プラタマチャヨー僧に対し、資金洗浄などの容疑で逮捕状が出た。同僧はバンコク郊外のタンマカーイ寺にいるとみられるが、多数の信者が寺を守り、警官の進入を阻止している。

 タンマカーイは1970年代からバンコクの中間層、富裕層の間で急速に広がった。カリスマ的な教祖、バンコク郊外の巨大で前衛的な寺院、整然として視覚効果の高い儀式などで知られ、集金能力、資金力はタイの仏教寺院随一とされる。また、軍政の宿敵であるタクシン元首相と近いとされ、軍政は元首相がタンマカーイを通じサンガ最高評議会に影響力を持つことを警戒しているという見方もある。
《newsclip》

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