かつてはタイ東部の古びた漁村だったパタヤ。1960―70年代のベトナム戦争中に米軍保養地として栄え、その後はバンコクとの組み合わせで日本からの団体旅行(パッケージツアー)の主要観光地となる。
そのような時代を経てパタヤは現在、中国、インド、ロシアといった新興国富裕層をメインの観光客とするリゾートに変貌した。
南北4キロに及ぶパタヤのメインビーチ。その2キロ東を並行して延びる幹線道路までを東西2キロ四方で囲まれたこの街は大きく3つに分かれる。主に東アジア地域からの観光客や在住者が多い「ノース地区」、商業地区として世界各国からの観光客が集まる「セントラル地区」、一昔前の面影を残しインド・中東系が多く集まる「サウス地区」だ。メインビーチよりさらに南のプラタムナックやジョムティエン地区は、比較的裕福な欧州人居住エリアだ。もちろん厳密な住み分けなどないが、夜になると各地区によって雰囲気や空気が微妙に異なり、料理の味付けも変わり、物価にも差が出てくる。
そんなパタヤの、東アジア諸国からの外国人が多いノース地区。メインビーチから1キロ程東に入って並行して延びるサードロード周辺に昨今、韓国資本と思われる飲食店や娯楽施設が増えている。大駐車場を完備した豪華な大型焼肉店、女性用スパ、高級カラオケクラブなど、新規店もあればオーナーが変わってテコ入れされた新装店もありと、店舗が目白押しだ。また、それに付随して新規参入の個人事業主も現れ始めた。流行りの韓国風スーツ店が開店するなど、一帯はハングル文字の看板がかなり目立つ。
新規大型店は、建物、内装など費用を安く見積もっても、日本円で確実に億単位だろうと想像がつく規模だ。しかしいくら韓国人観光客がハイシーズン(11月―3月)に多数押し寄せるといっても、通年で見れば大した人数ではない。これら店舗への投資ボリュームは、現在の観光客数では到底、採算がとれるとは思えない。
しかしなぜこのような大規模な投資なのか。いろいろな見方があるが、一つとして「自国の経済がいよいよ本当に危ない」と感じた資産家がその一部もしくは大部分をパタヤに移動させているのでは、という話をよく聞く。韓国資本の特徴として、自国の観光客のみを当て込んだ投資ではなく、タイ人富裕層や各国のリピーターも対象とした地元密着型である場合が多い。同じ東アジアの中国資本のビジネスとは、ここが大きく異なる点ではなかろうか。ノース地区のサードロードは今、本格的コリアンタウンが生まれそうな勢いだ。
タイ東部のコリアンタウン 変わりゆく東部
2017年1月9日(月) 00時24分(タイ時間)
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