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大僧正にバンコクの名刹住職 タイ国王が任命

2017年2月8日(水) 01時55分(タイ時間)
【タイ】プラユット首相は7日、ワチラロンコン国王がバンコクの名刹、ワット・ラーチャボピット寺の住職、ソムデットプラマハームニウォン僧をタイ仏教僧団(サンガ)の最高指導者、第20代大僧正(ソムデットプラサンカラート)に任命したことを明らかにした。

 12日に就任式が行われる。

 ムニウォン僧は1927年、西部ラチャブリ県生まれ。10歳で沙弥(しゃみ)となり、21歳のとき、ワット・ラーチャボピットで出家した。タイの2大仏教宗派の1つであるタマユットニカーイ派に所属。

 先代の第19代大僧正は2013年に100歳で死去し、以来、大僧正位は空席となっていた。従来のサンガ法では、高位の僧侶で構成されるサンガ最高評議会が大僧正候補を選出し、首相が候補者の任命を国王に要請、国王が任命するかたちだったが、タイ軍事政権傘下の非民選暫定国会「立法議会」は昨年末、大僧正の選任を国王に一任する改正サンガ法を可決、同法は今年1月に施行された。

 軍政による法改正は、パクナムパーシージャルーン寺の住職で大僧正代行を務めたソムデットプラマハーラチャマンカラージャーン僧(91)の大僧正就任阻止が狙いだったとみられる。ラチャマンカラージャーン僧は軍政と対立するタクシン元首相派と関係が深いとされる新興仏教団体タンマカーイと癒着しているという疑惑があった

 第19代大僧正は1999年、タンマカーイ寺の教祖、プラタマチャヨー僧が信者から寄付された2・4平方キロの土地や現金を自分名義にしていたことなどを問題視し、同僧を強制還俗させるべきと記した手紙をサンガ最高評議会に送った。しかし、大僧正はその後、体調を崩して指導力が発揮できなくなり、サンガ最高評議会は2006年、プラタマチャヨー僧が寄付された土地、現金の名義をタンマカーイ寺に変更したとして、この問題を不問に付した。タンマカーイ寺は2012年に、パクナムパーシージャルーン寺に重量1トンの黄金像を贈っている。

 2015年には立法議会、2016年にはタイ法務省特捜局(DSI)が、サンガ最高評議会に対し、大僧正の意思を尊重し、プラタマチャヨー僧を強制還俗させるよう要求したが、サンガ最高評議会はいずれも拒否した。

 2013年にはタンマカーイをめぐる新たなスキャンダルが発覚した。バンコクのクロンジャン信用協同組合の元理事長が在任中に信組の預金額のほとんどにあたる120億バーツ以上を横領した事件で、元理事長が横領した金10億バーツ以上をプラタマチャヨー僧らタンマカーイの僧侶と寺に寄付したことが判明。2016年、プラタマチャヨー僧に対し、資金洗浄などの容疑で逮捕状が出た。同僧はバンコク郊外のタンマカーイ寺にいるとみられるが、多数の信者が寺を守り、警官の進入を阻止している。

 サンガ最高評議会は2016年1月、ラチャマンカラージャーン僧を次期大僧正候補に選出したが、プラユット首相は仏教界内部の対立などを理由に、国王に対する大僧正任命要請を拒否。同年2月には、タイ中部の仏教施設に集まったラチャマンカラージャーン僧支持派の僧侶数千人が、大僧正任命の手続きを遅滞なく進めるよう軍政に要求し、集会を阻止するため派遣された兵士ともみ合う騒ぎとなった。同年3月には、ラチャマンカラージャーン僧が所有する1953年製のメルセデス・ベンツのクラシックカーが、不正な方法で輸入されたとして、DSIに押収された。
《newsclip》

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