輸出額100億円を超える国産農畜産物のうち、牛肉と緑茶が2016年に過去最高を更新したことが、財務省の貿易統計で分かった。和牛の認知度向上や世界的な和食ブームが追い風となり、消費を伸ばした。一方、リンゴは他国産との競合状態となり、前年を1%下回った。
16年の牛肉の輸出額は135億円と前年を23%上回り、6年連続で最高記録を塗り替えた。数量は18%増の1908トン。和牛の知名度が高まり、年末の円安傾向も追い風要因となった。
筆頭格の香港向けは40億円で33%増。高級和牛に対する富裕層の引き合いが続き、数量も658トンで24%増えた。輸出全体に占めるシェアも2ポイント伸ばし、29%に達した。
米国向けは21億円で24%増。数量は244トンで19%増えている。中央畜産会によると、11月上旬に輸出量が低関税枠の200トンを超え、枠外税率(26.4%)が課せられた。しかし、「円安に傾き、関税の上げ幅が一部相殺された」という。
訪日客が発信
緑茶は116億円と前年より14%増えた。世界的に茶専門店が増加していることや、訪日外国人が自国に持ち帰り、需要を伸ばしているためだ。数量は4108トンとほぼ横ばい。
日本茶輸出促進協議会は「情報を得てから来日する旅行客が増え、需要が徐々に変わってきた。抹茶をはじめ、高級志向になっている」と説明する。
リンゴは苦戦
リンゴは前年を1%下回る133億円だった。小玉傾向で箱数が伸びず、輸出業者の仕入れ価格が高騰。競合する米国産や韓国産が豊作で、高値を避けた台湾の輸入業者の仕入れ意欲が他国産に分散した。
単価が高くなったため、数量は3万2000トンと前年より6%減った。一部産地で黒星病の発生があったが、青森県は「影響は限定的だった」(国際経済課)。今後の見通しについて県は「他国産の出回りが多いため、厳しい販売になる」とみる。
日本酒 裾野広がる
和食ブームを背景に、年々輸出が伸びている日本酒は過去最高を更新。16年の輸出額は155億円で前年を11%上回った。現地の日本食レストランが発信地となり、需要の裾野を広げている。数量も1万9700キロリットル(9%増)に上り、一升瓶で約1096万本に相当する。日本貿易振興機構(ジェトロ)は「日本でワイン文化が浸透したように、海外での日本酒需要は伸びしろが見込める」とみる。
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昨年度の国産農畜産物輸出額、牛肉と緑茶は過去最高!
2017年2月13日(月) 17時56分(タイ時間)
《日本農業新聞》
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