◆トヨタは5年ぶりに首位を明け渡す
2016年の自動車メーカーの世界新車販売ランキング(連結またはグループベース)を、各社の発表データを元に集計した。上位10社の顔触れは15年と同じとなったが、トヨタ自動車が4年続けていた首位を譲り、独VW(フォルクスワーゲン)が初めてその座を占めた。順位変動はこの2社のみで、3位以下は同一だった。ただ、ルノー・日産連合が新たに傘下に収めた三菱自動車工業分を加えたことで大幅に台数を伸ばし、世界販売1000万台規模のトップグループは従来の3社から4社での形成となった。
◎2016年の世界販売ランキング(カッコ内は前年順位と増減率)
1(2)VW 1,031万台(4%)
2(1)トヨタ 1,018万台(0%)
3(3) GM 996万台(1%)
4(4) ルノー・日産 996万台(17%)
5(5) ヒュンダイ 792万台(2%)
6(6) フォード 665万台(0%)
7(7) ホンダ 497万台(7%)
8(8) FCA 448万台(▲3%)
9(9) PSA 315万台(6%)
10(10)スズキ 286万台(0%)
*FCAはフィアットクライスラーオートモービルズ
◆中国と米国の2大市場がけん引
16年の世界の新車需要は、大市場の中国と米国がけん引する形で堅調に推移した。09年に世界最大の新車市場となり、毎年最多記録を更新し続けている中国は、小型車への優遇税制によって前年を14%上回る2803万台と、3年ぶりに2ケタ増を確保した。
中国に次ぐ市場の米国は0.4%増の1755万台と、小幅の伸びながら2年連続で過去最高となった。米市場は、リーマン・ショック後の09年に1043万台(21%減)と大きく縮小したものの、翌10年から7年連続で拡大している。原油安が続いていることからピックアップトラックなど中大型のライトトラックが全体の6割強を占め、市場をリードしている。一方で、世界3番手の日本は、2大市場とは対照的に2%減の497万台と、2年連続で落ち込み、500万台の大台も5年ぶりに割り込んだ。
◆VWは中国で最高の398万台を販売し首位への原動力に
トヨタは1018万台(0.2%増)と、3年連続で1000万台の大台を維持したものの、前年2位のVWに初のトップを奪取された。年初の素材メーカーの事故や熊本地震によって部品調達が滞り、生産・販売への影響が出た。中国は過去最高の121万台(8%増)だったが、米国は2%減の245万台とライトトラックの供給が追い付かず、やや苦戦した。トヨタは17年については1020万台(0.2%増)の計画としており、引き続き台数成長には慎重な構えで臨む。
2年ぶりに1000万台ラインを回復させたVWは、同社の最大市場でもある中国で過去最多の398万台(4%増)を販売し、世界首位への原動力とした。中国の販売は同社全体の39%を占めた。ディーゼル車の排ガス不正の影響で米国では3%落としたものの、欧州では421万台(4%増)と着実に伸ばした。米GM(ゼネラルモーターズ)も、中国で387万台(7%増)とVWを追い上げる健闘を見せ、4年連続での世界3位となった。米市場の好調に支えられ北米でも1%増の363万台と成長を確保した。
◆ルノー・日産はGMと並ぶ996万台に
4位の仏ルノーと日産自動車連合(三菱自とロシアのアフトワズ含む)は、17%増の996万台と、新たに三菱自(93万台)を算入したため大幅な伸びとなった。同連合としては8年続けての増加。日産は中国と米国で過去最多とするなど世界では3%増の556万台とし、7年連続で最高を更新した。このほかの日本メーカーではホンダが7位、スズキが10位といずれも前年と同順位。ホンダは最大の販売先である米国で164万台(3%増)、中国も126万台(24%増)とし、いずれも2年連続で最高を更新した。世界販売も5年連続での最高で500万台に迫った。
スズキはトップシェアをもつインドで8%増の140万台と過去最高を確保したが、日本の軽自動車市場の低迷などにより、世界販売は0.4%減と横ばいにとどまった。5位の韓国ヒュンダイ、6位の米フォードモーターも大市場の米国や中国で伸び悩み、世界販売は横ばいないし小幅増にとどまった。FCA(フィアットクライスラーオートモービルズ)は欧州部門で11%の伸びを確保したものの、北米部門がマイナスとなり、世界ランクは2年連続の8位だった。9位の仏PSAは欧州で4%増と堅調に伸ばし、世界では6%増の315万台と、3年連続でのプラスを確保している。
【池原照雄の単眼複眼】VWが初の首位、ルノー・日産はトップ4形成…16年世界販売
2017年2月22日(水) 13時15分(タイ時間)
《池原照雄@レスポンス》
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