茨木栄梨 医師
バムルンラード・インターナショナルで3月8日国際女性デーに合わせて女性の体に関する医療セミナーが開催された。子宮筋腫(きんしゅ)、乳がん、更年期障害といった女性ならではの病気が挙げられ、多くの在タイ日本人女性が参加していた。
子宮筋腫や卵巣嚢腫(のうしゅ)は最近、全身麻酔による腹腔鏡手術を行うことが多くなってきている。小さな穴からカメラを入れてモニターを見ながら行うので、傷が小さくて今までの開腹手術より体にかかる負担が少ないというメリットがある。
乳がん検査は毎日のセルフチェック、自分で視診や触診を行うことが大切だ。40歳以上はマンモグラフィー検査が有効だが、若い方は乳腺が発達しているため、乳がんが見えづらい。こちらは超音波検査がお勧めといえる。
更年期障害は閉経前後5年に発症することが多い。女性は誰にでも更年期がやってくる。加齢に伴う症状は人によってさまざま。鬱(うつ)や甲状腺機能低下症の症状に似ているため、診断には難しさが伴う。
病院への受診で、問診、内診、検査を組み合わせて総合的に判断、治療が行われる。低用量ピルやホルモン補充療法、向精神薬による治療、漢方薬、カウンセリング、心理療法などがある。
更年期はずっと続くものではない。家族など周囲の人たちに理解してもらいながら、食生活、適度な運動、充分な休息、自分自身の時間を楽しむことで、女性は歳を重ねても健康でいきいきと生活を楽しむことができる。
■タイと日本の医療の違い
タイは日本人にとって説明があっさり。こちらから聞かないと検査結果さえも説明がないことがあるため、事前に質問を箇条書きにし、疑問に思うことはうやむやにせず、積極的に聞くことが大切。
子宮筋腫の手術の場合、日本は筋腫のみ摘出することが多いが、タイは子宮全摘出をすすめられることがある。
タイでは胃カメラでも眠って(鎮静薬を使って)検査を受ける。日本では細くて小さくて鼻から入れて、苦しくない胃カメラがあるが、タイは未導入。胃カメラにおいては、患者が苦しい思いをせず、また検査中に動いてしまうなどの危険を防ぎ、ドクターが病巣を見逃さないためにも鎮静薬の使用が必要とされる。
茨木 栄梨 医師 麻酔科医
北海道出身。弘前大学医学部卒業後、勤医協中央病院(札幌)での初期臨床研修を経て、麻酔科医として東葛病院、東京慈恵会医科大学病院で勤務。2016年6月、医療コーディネーション医師としてバムルンラード・インターナショナルにて勤務開始。入院患者に心配なことや不安はないかという気持ちの面でサポート、専門である麻酔科の知識を生かし、手術を受ける患者、帝王切開や無痛分娩を受ける患者に心強いアドバイザーとして活躍。ほか、日本に帰国してからの病院とスムーズな連携などコーディネーション業務も行っている。
バムルンラード・インターナショナル医療セミナー 「女性に関わるからだのあれこれ」
2017年3月15日(水) 18時31分(タイ時間)
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