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【インバウンドビジネス総合展:2】ベンチャーが考える集客術

2017年3月22日(水) 22時53分(タイ時間)
インバウンド事業向けのソリューションやサービスの展示会「インバウンドビジネス総合展」の画像
インバウンド事業向けのソリューションやサービスの展示会「インバウンドビジネス総合展」
会場ではインバウンドベンチャーの会に参加する事業者の各代表が、インバウンド集客の手法などについて講演をおこなったの画像
会場ではインバウンドベンチャーの会に参加する事業者の各代表が、インバウンド集客の手法などについて講演をおこなった
株式会社ホットリンク代表取締役社長CEOの内山幸樹氏は、中国ではマスメディアのPR記事を起点とする口コミのほうが拡散力に優れると話すの画像
株式会社ホットリンク代表取締役社長CEOの内山幸樹氏は、中国ではマスメディアのPR記事を起点とする口コミのほうが拡散力に優れると話す
【記事のポイント】
▼中国向けの情報拡散では、マスメディアの記事が起点となる
▼テーブルチャージなどの日本ルールは、ホームページできちんと告知
▼料金にシビアな外国人向けビジネスでは、割安感と安心感の提示が重要


■コストをかけてでもマスメディアを活用せよ

 インバウンド事業においては、未だ圧倒的なシェアを誇るような事業者が少なく、中小企業にもビジネスのチャンスが残っているといわれる。このような中で積極的な動きを見せているのがベンチャー企業だ。急激に規模を拡大するマーケットに勝機を見据え、さまざまなサービスや商材を展開している。こうした動きの中から生まれてきたのが、2015年に設立された「インバウンドベンチャーの会」だ。

 東京ビッグサイトで2月1日から開催されたイベント「インバウンドビジネス総合展」では、この会に参加する各企業の代表が講演を行っている。ここでは、そこで明かされたインバウンドを集客する秘訣やノウハウについて紹介したい。

 まずは、集客の最初の一手となる情報発信についてだが、これについてはビッグデータの取得と分析を行う株式会社ホットリンク代表取締役社長CEOの内山幸樹氏による講演が参考となる。同氏は“もの”から“こと”へとインバウンドの関心が推移している現状を踏まえ、情報発信においてはマスメディアの活用が肝心だと説いた。

「たとえば中国では、引用先を明示すれば記事をそのままコピーできます。だからインバウンドの関心の高いマスメディアに記事(PR記事)を書いてもらい、それを口コミで広めてもらうのが効果的です」

 その上で、マスメディアを起点にSNSで情報を拡散する手法とその実績を紹介。引用記事なしの口コミだけケースと比べ、記事のコピーを伴うものほどSNSでの拡散が見られ、長い期間にわたって認知されることを示した。「KY(空気を読む)からKT(空気を作る)へ、フェーズは移行しつつある」とのことで、口コミを喚起するマスメディアの活用を勧めている。


■言語対応と安心感、ITの活用は不可欠

 会場では「京都でいかに勝っていくのか」をテーマに、この地で事業を営むメンバーによる対談も行われた。着物のレンタル事業を行う株式会社和心代表取締役社長の森智宏氏は、「日本人向けにやったことが訪日観光客にウケる。外国人向けなどと意識しないことがいい結果を生んできた」とその成功の秘訣を明かす。

 一方、京都市内でカフェやラウンジバーなどの飲食店を運営する株式会社Cozy代表取締役の福井康司氏は、商習慣の違いを踏まえた対応の必要性を指摘する。

「テーブルチャージでほぼ揉めます。だから、HPや訪日観光客向け情報サイトなどで事前にきちんと説明すること、そして安心感を与えてあげることが重要です。外国人は料金にシビアなので、安心感と割安感を提供することでリピーターになってくれます」

 また、福井氏がインターネットによる情報公開の重要性と語ると、森氏も「専門スタッフを置くなど言語面での対応、そしてネットでの情報公開などのIT対応が成功の肝」と賛成の意を表した。福井氏はお茶屋さんと提携して芸妓や舞妓を一見でも呼べるサービスを予定しているそうで、これもインバウンドの人気を集めそうだ。

 このほか、「インバウンド事業で100億稼ぐ!!」というコーナーでは、インターネット広告事業を手掛けるEVOLABLE ASIA CEOの薛悠司氏が、「日本人と外国人は“美しく見えるもの”が違う。だからこそ、情報発信は日本人向けには日本人が、中国人向けには中国人が、ベトナム人向けにはベトナム人が作るべき」と提言している。これにより、発信がより目立つようになるとのことだ。

 20代~40代の経営者が集うインバウンドベンチャーの会。同会のリーダーの一人であり、訪日客に特化したモバイルWi-Fiレンタルサービス「NINJA WiFi」などを展開する株式会社ビジョン代表取締役社長の佐野健一氏は、「政府は2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでにインバウンドが4000万人になるというが、5000万人、あるいは6000万人も可能だ」とその鼻息は荒い。

 若い世代の経営者たちが集まることで、アイデアと刺激を得られるという同会。同じ思いを持つ者同士での交流は、事業への大いなるヒントに繋がっているようだ。情報拡散の手法やインターネットの活用など、インバウンド集客において彼らの取り組みに学ぶべきことは多い。
《関口賢/HANJO HANJO編集部》


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