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パタヤのロシア人は何処へ 変わりゆくタイ東部

2017年5月28日(日) 12時31分(タイ時間)
夕暮れのパタヤビーチの画像
夕暮れのパタヤビーチ
 3年前になる。パタヤビーチ沿いの大型ショッピングモール内のある日本食レストランに入ったときのことだった。

 かなり広いフロアだがお客で満席。やっと空いた2人掛けのテーブルに座ってふと周囲を見渡すと、我々以外は全てロシア系と思われるお客だった(以下、ロシア人)。

 彼らの注文のほとんどが刺身や寿司のようで、カウンターの寿司職人が黙々とその注文をさばいていた。ロシア人のお客は誰もが、怪しい箸さばきながも刺身や寿司といった料理にマヨネーズやとんかつソースをかけ、何とも楽しそうに食べていた。

 記憶が正しければ、4年前辺りからパタヤを訪れるロシア人の数が目に見えて増えていった。多分、日本食レストランで経験したあの3年前がピークだ。韓国製の電化製品、キヤノンの一眼レフ、アップル製品を販売する店舗はどこも彼らで賑わっていた。

 チャーター機利用の団体客は持ち帰り荷物の重量制限がないのだろうか、エアコン、冷蔵庫、はたまたバイクといった大型製品を、母国に持ち帰っていたらしい。あの独特なキリル文字の看板が増え、パタヤ北隣のナークルア地区や南隣のジョムティエン地区までも、彼らの団体で大賑わいだった。

 ロシア人のパタヤブームに便乗して一番儲かったといわれた業種は? 果物屋だそうだ。彼らはとにかく果物が好きで、一日中食べていたように見える。パタヤの果物相場の急騰も起きたほどで、中でもマンゴとパイナップルが飛ぶように売れたそうだ。

 そんなロシア人客も昨年から減少に転じている。昨年から今年のかけてのハイシーズン(11月―2月)もかなり静かだった。原油価格の世界的な安値や経済制裁などで通貨価値が下がったのか、もしくはタイからほかの東南アジア諸国に人気が移ってしまったのか、はたまたパタヤでロシア人観光ビジネスを作り上げて牛耳っていたマフィアの大物がタイ軍政によって捕らえられて強制送還されたからだろうか。タイ以外の旅行先としてはインドネシアのビーチが人気のようだ。

 果物が大好物で陽気な性格、西ヨーロッパ人とは違ってちょっとあか抜けない雰囲気が何とも微笑ましいロシア人。団体、家族、カップルといったあらゆるスタイルの旅行者がパタヤにお金を落としてくれていたが、昨今はそれに代わって大型団体の中国人客とインド人客が街を圧倒している。

 キリル文字の看板は徐々に見られなくなり、急激に増えたインドレストランと漢字の看板が目立つ街と化した。仏教国タイではかなり過激ではあったが、ここパタヤなので許されたのであろう服装で街を楽しそうに歩く美しいロシア人女性や金髪のかわいい子供たちの姿は、今思えばパタヤをとても明るくしていたように思う。

Panorama International Marketing Co., Ltd. 筧 由希夫
《newsclip》


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