フランクフルトモーターショー会場9ホールに異様なルックスのスーパーカーが忽然と現れた。アスパークが開発した和製EVスーパーカー『OWL』だ。「世界最速を目指せ!」という同社社長の掛け声の下、0~100km/hはジャスト2秒を達成。2019年に350万ユーロ(4億6000万円)で発売される見込みだ。
展示されていたのはフォードやマツダが並ぶ一角。マツダの並びにあったので、思わず「マツダの新コンセプトカーか?」と勘違いしたほど。しかし、その姿は明らかに普通ではなく、そのルックスはもはやスーパーカーというよりもレーシングカーに近い。
一体どこの国のメーカーなのかとブースに近づくと日本語が聞こえてきた。聞けば大阪に本社を持つ日本のメーカーであるという。アスパークは2005年にエンジニアを集める人材派遣会社として設立。そのきっかけは、社長である吉田眞教氏がもの造りをしたくて始めたことだったという。
アスパーク R&D事業部 川中清之氏がその背景を話してくれた。「弊社社長は無類のクルマ好き。いつかは世界を驚かすクルマを作りたいと思っていた。しかし、最初はクルマを作るノウハウがない。そこでまずは人を集めるために、様々な大手自動車関連企業にエンジニアを送り続けながら資金や人材を集めることから始めることになった」という。
そして、OWLの開発プロジェクトがスタートしたのは2014年のこと。工場を持たない同社にとってクルマの生産は難しいため、その部分は「(金属加工を軸にクルマに関する幅広い分野で製品開発・製造・販売を行なう)イケヤフォーミュラに生産委託する形を採ることにしている」(川中氏)。
OWLの目標生産台数は数十台とする少量生産だ。少量生産であれば高価格帯にしなければ事業として成立はしない。それが350万ユーロという値付けだ。そこで、「“世界一”の強烈な加速力を訴えることで、そういうことに関心が高い富裕層を狙うことにした」(川中氏)のだ。
最初は最高速度で“世界一”を狙う予定だったというが、電気自動車ならではの特徴であるトルクを活かす方が理に適っていると判断。どこも実現していない0~100km/hをジャスト2秒で走り切る強烈な加速力を開発目標に据えたというわけだ。
日本のメーカーであれば、間もなく開催される東京モーターショーでお披露目しても良かったのではないかとの疑問も湧く。川中氏は「富裕層をターゲットにするのであれば日本よりも海外が適しているとの判断した。本当はメーカーが偏らないジュネーブモーターショーでデビューさせたかったが間に合わなかった」と、フランクフルトモーターショー出展の背景を話す。
車両はまさにモンスターマシンのスペックだ。カーボンファイバー製ボディとマグネシウム鍛造ホイールを組み合わせることで車両重量はわずか850kg。これを最高出力435psと最大トルク764Nmを発生する2基の電気モーターが4輪を駆動する。最高速度は280km/hに達する。
電力の供給にはキャパシタとリチウムイオン電池の併用を考えているそうで、これは強烈な加速を得るためにキャパシタによる急速な放電がどうしても外せなかった仕様だという。まさに電動スーパーカーならではの発想とも言える。
今後は茨城県にあるJARI城里のテストコースなどでテストを積み上げていくが、販売にあたっては各国の法規に合わせた修正も必要になるという。同じフランクフルトモーターショーでデビューしたメルセデスAMG『プロジェクト・ワン』が227万5000ユーロ(約3億円)。それを上回る価格で挑戦する和製スーパーカーのこれからが楽しみだ。
【フランクフルトモーターショー2017】4億6000万円の和製スーパーカー、0-100km/hは2秒!
2017年9月19日(火) 12時06分(タイ時間)
《会田肇@レスポンス》
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