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【gogoro】EVスクーターの黒船、日本上陸の衝撃

2017年9月29日(金) 15時43分(タイ時間)
「たった6秒」でフル充電して走り出すことができると話すGogoroのホレイス・ルークCEOの画像
「たった6秒」でフル充電して走り出すことができると話すGogoroのホレイス・ルークCEO
《撮影 中島みなみ》
2011年に設立して、わずか数年でEVスクーターのインフラを台湾全土に確立したgogoro(ゴゴロ。本社=台湾・桃園市)が、住友商事と戦略的パートナーシップを締結、日本に上陸を果たした。

日本国内のパートナーとなる住友商事は、同社が実施した約300億円の第三者増資の一部を担った。他にもアル・ゴア米元副大統領が設立したジェネレーション・インベストメント・マネジメント、シンガポール政府のテマセク・ホールディングスから投資を得た。ジェネレーションは環境に強い関心を持ち、環境負荷を低減する企業に積極的な投資を行っている。また、テマセクは世界で最も評価が高い投資会社の一つだ。

ジェネレーションの投資は、gogoroのCEOであるホレイス・ルーク(Horece Luke)氏の言葉を裏打ちするものだ。「gogoroで開発しているのは、エネルギー配給ネットワーク。スクーター会社でもバッテリー会社でもない」。

gogoroは何を実現してきたのか。最大の特徴は「わずか6秒」のチュージを可能とするバッテリー交換式電動スクーター・システムだ。車体は買うが、消耗品であるバッテリーは、走行距離に応じた定額制でシェアする。充電が必要なバッテリーはステーションに戻し、充電済みのバッテリーに入れ替えるというシェアリング・システムだ。

EVは普及すればするほど、充電のための待ち時間解消が必要だ。ガソリン車のすべてをEVに置き換えるほどの充電インフラの実現は、EVの航続距離を延ばすこと以上に困難を伴う。EVの開発は熾烈を極めるが、これが解決できなければ、目覚ましい普及は見込めない。彼らは、その難題をバッテリー交換という形で可能にした。

2015年、同社はEVスクーターgogoro1の発売を開始。そのノウハウはgogoro2へと受け継がれ、3年をかけずに累計3万4000台を販売し、それを支えたのが、ゴーステーション(GoStation)と呼ばれるバッテリー交換ステーションだ。すでに約400か所、台湾のどこにいても約20圏内kmに1か所以上の割合で設置が完了し、台湾におけるEVのほとんどがgogoro製。販売台数は4万台を超える勢いで、ガソリン車のシェアを突き崩しつつある。EVの普及をシェアリングで加速しようという構想は世界にあふれているが、それを実現したのは、今のところ同社だけだ。

さらに、gogoroは、16年にはベルリン、17年にはパリに、車両、バッテリー、充電システム全体を持ち込み、シェアリング事業を展開。満を持して進出したのが、二輪車製造大国の日本だった。

国内の二輪車業界関係者はgogoroの進出をこう評価する。「EVの普及は自治体の協力が欠かせない。台湾のような本格的な後押しが日本にあれば、国内メーカーと言えどもgogoroに追いつけない。が、国内メーカーに配慮して行政がEVバイクの普及をあきらめれば、利用者にとっての不幸だ」。
《中島みなみ@レスポンス》


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