国外逃亡のタイ前首相、英国に政治亡命申請か
前首相が英国政府に政治亡命を申請する見通しだと報じた一部報道については、「前首相の個人的な事柄で、プラユット首相は関心がない。タイ政府としては、法に従って、犯罪者の身柄引き渡しを求める」と述べた。
前首相はインラク政権(2011―2014年)が導入した事実上のコメ買い取り制度「コメ担保融資制度」をめぐる汚職と巨額の損失を放置したとして職務怠慢などに問われ、タイ最高裁判所が9月27日、被告不在のまま、禁錮5年の実刑判決を下した。
判決は当初、8月25日に下る予定だったが、前首相が出廷せず、所在不明になったため、延期されていた。前首相は8月23日に陸路でカンボジアに脱出し、シンガポール、兄のタクシン元首相が自宅を構えるドバイを経由し、英国入りしたとみられている。タイ警察は逃亡を手助けした疑いで警官3人を取り調べているが、捜査の進展は遅い。
タイ当局は今後、前首相のパスポートを破棄し、国際刑事警察機構(ICPO)を通じ、国際手配する方針。
一方、前首相は今回の判決をタイ軍政の意向を受けた政治的なものと主張する見通しだ。
タクシン元首相は国外滞在中の2008年に、首相在任中に当時の妻が国有地を競売で購入したことで禁錮2年の実刑判決を受け、以来、タイに帰国していない。タイ国内では逮捕状が出ているが、国際社会では、元首相への実刑判決はタイの政治対立によるという見方が強く、元首相は英国、中国、シンガポールなどを自由に行き来している。インラク前首相もタイ国外で逮捕され、身柄を送還される可能性は低いとみられる。
前首相の逃亡については、前首相が裁判中、軍政の厳重な監視下にあったほか、実刑判決を受け収監されれば、前首相の支持層と軍政の対立が激化するという懸念があり、軍政が逃亡を黙認もしくはほう助したという見方もある。
こうした見方を裏付けるかのように、軍政の実力者であるプラウィット副首相兼国防相とタクシン元首相が9月のほぼ同時期に英国を訪れた。
プラウィット副首相は9月12―15日に英国を訪問し、マイケル・ファロン国防相らと会談。一方、タクシン元首相の次女は9月17日、元首相らと一緒にロンドンで撮影した写真、動画をフェイスブックに掲載した。インラク前首相の姿はなかったが、前首相は元首相と一緒に英国入りした可能性が高いとみられる。
こうしたことから、プラウィット副首相とタクシン元首相が英国で秘密裏に会談し、何らかの政治的な取引としたのではという憶測が流れた。軍政は「滞在時期がずれ、会う必要もない」(タイ国防省報道官)として、両者の会談を否定している。
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