RSS

3つのポイントをおさえ越境ECを成功させる/Japan IT WEEK

2017年11月29日(水) 12時12分(タイ時間)
トランスコスモス(株)上席常務執行役員 経営戦略本部長 兼 デジタルマーケティング・EC・コンタクトセンター統括 グローバルEC・DS推進本部長 兼 グローバルEC・ダイレクトセールス本部長 神谷健志氏の画像
トランスコスモス(株)上席常務執行役員 経営戦略本部長 兼 デジタルマーケティング・EC・コンタクトセンター統括 グローバルEC・DS推進本部長 兼 グローバルEC・ダイレクトセールス本部長 神谷健志氏
AI・業務自動化、クラウドコンピューティング、情報セキュリティ、モバイル活用など全10部門のIT専門展からなる『Japan IT Week 秋』。出展企業640社、来場人数約4万9000人の下半期最大級のIT専門展の画像
AI・業務自動化、クラウドコンピューティング、情報セキュリティ、モバイル活用など全10部門のIT専門展からなる『Japan IT Week 秋』。出展企業640社、来場人数約4万9000人の下半期最大級のIT専門展
 AI・業務自動化、クラウドコンピューティング、情報セキュリティ、モバイル活用など全10部門のIT専門展からなる『Japan IT Week 秋』が2017年11月8日から10日の期間、千葉県幕張メッセで開催された。

 出展企業640社、来場人数約4万9000人となった下半期最大級のIT専門展である『Japan IT Week』では、各部門ごとにさまざまな商品・技術・サービスを紹介するブースのほか、多数のセミナーが実施された。

 今回はそのセミナーのひとつ『急成長を続ける越境ECで行うべき「3つのこと」』(講師:トランスコスモス(株)上席常務執行役員 経営戦略本部長 兼 デジタルマーケティング・EC・コンタクトセンター統括 グローバルEC・DS推進本部長 兼 グローバルEC・ダイレクトセールス本部長 神谷健志氏)より、越境ECを成功させるポイントを抽出する。

■EC市場の現状

 まず神谷氏よりEC市場の現状について説明があった。

 現状では中国が約100兆円と世界最大のEC市場となっており、アメリカ、イギリスに次いで日本は第4位に入っている。しかし今後4年で市場成長額がASEANが日本を上回るという予測があり、ASEANはEC市場にとって魅力的な市場だと言える。

 EC市場の売り先としては中国ではアリババグループのタオバオとTmall、それにJD.comが市場の90%を占めている。またASEANではLazadaがアリババグループの支援を受け、現地モールの中でリーダーポジションを固めつつある。

 神谷氏によれば「中国向けの越境ECにおいては、アリババやJDに加え、越境に特化した強いECモールも複数存在しており、それぞれのモールの特色をつかみながら利用することが必要」、また「ASEANにおいては東南アジアナンバー1のECグループであるLazada Groupが越境ECを開始しており、香港をハブにロジスティックの拠点を設け、アジア全域に越境ECサービスを開始している」ということであり、越境ECにあたっては中国やASEANにおけるEC市場の現状をしっかりとおさえておくことが必要だと言える。

■越境EC事業の意味付けと最適モデルの選択

 それでは越境ECを行うにあたり、どのようなことがポイントになるのだろうか。神谷氏は「1つ目のポイントは越境EC事業の位置づけを明確にし、それにあったモデルを選択することが必要」と話す。越境ECは一般の消費者にとってハードルが高く、また日本製だからといって売れる時代でもなくなってきている。物を売る立場としてのスタンスを明確にしなくてはならない。

 例えば売れ筋商品とロングテール商品があった場合、売れ筋商品であれば一般貿易や現地生産で売ったほうが効率が良い。しかし量がさばけないロングテール商品はそういうわけにはいかない。そこで現地法人を持っている企業であれば、ロングテール商品を大量に現地に運んで在庫リスクを負うよりも、越境ECを使う方がメリットが大きい。また紙おむつなど中国で人気の高い日本製品は“日本で製造、日本企業から購入“という事実がひとつのプレミアムとなるため、こちらも越境EC向けだと言える。一方現地法人を持っていない企業であれば、正規進出前のテストマーケティング的に越境ECを活用することが可能だ。

 「ECモールで商品を取り扱うのか、ブランド旗艦店に出店するのか、あるいは自らのサイトで売るのか。商品を直送するか保税区を使うのかなど、越境ECの販売商品特性に合わせた物流スキームの構築が収益のカギです」と神谷氏は強調した。



■各国の市場に合わせて柔軟な対応をする

 次に神谷氏は「2つ目のポイントは各国に適合した販売手法をとること。越境ECモールのプラットフォームやイベントの活用が重要となります」と話した。

 例えば中国のECモールではニューイヤー祭り、618キャンペーン(JD.comの会社設立記念日)、ダブルイレブン(独身の日)、ブラックフライデーが挙げられ、ASEANのECモールでも旧正月、Lazadaアニバーサリー、ラマダン、オンラインフェスティバルなど数々のイベントが行われ大きな盛り上がりを見せる。これらのイベントに合わせ越境ECモールのマーケティングメニューを活用することが重要だということだ。

 次に「パートナーを上手く活用すること。国ごとに異なる市場環境や消費者の嗜好を理解したナビゲーターが必要となります」と神谷氏は3つ目のポイントを挙げた。

 これは国によって市場も売れるものも違うため、市場ニーズを把握するために必要なのだと言う。また越境ECモールとのリレーションも重要であり、特に告知なく変わるモール内のルールについては迅速な対応をすることがECモールとの信頼につながると強調。さらにEC運営に必要な多岐にわたる業務(システム構築や保守)もしっかりとコントロールすることが必要だと話した。

 最後に神谷氏は「今回挙げた3つのポイントを心がけることが、皆様の越境ECビジネス成功の大きな要素になると思います」とまとめた。
《川口裕樹/HANJO HANJO編集部》


新着PR情報