木下 裕司 氏 執行役員
松本 ゆみ 氏 Chief Bangkok Sales Team
タイでの創立はや半世紀
お客様に支えられ、実績と信頼を構築していく物流パートナー
――御社概要をお聞かせください
弊社は「NYK Logistics (Thailand) Co., Ltd.」と「Yusen Air & Sea Service (Thailand) Co., Ltd.」を母体に2011年に統合・設立されましたが、その母体のタイ進出は半世紀前の1969年であり、数多い日系企業の中でも、より早いタイミングで、物流事業をスタートすることが出来ました。
昔も今も、メーカー、商社を中心とした日系企業の皆様が常に苦労されるのが、輸出入の際の通関です。弊社がタイに進出したばかりの頃は、通関システム自体がさらなる発展を遂げなければならない、といった時代であり、お客様からも通関回りの業務依頼が多く寄せられていたそうです。弊社はそのようなニーズを受け、とりわけ通関業に注力し、タイで初めて事業認可を取得するに至りました。
当初より日系のお客様を中心に成長し、また弊社が取り扱う貨物は、当初は家電関連が多く、タイの産業、日系企業の進出と共に、現在は自動車関連、電子関連、化学品、食品などと幅が広がってきています。
――通関業に関しての御社の強みとは?
タイでの通関業に携わっておよそ半世紀、通関に携わる社員の人材育成を基盤に培ってきた経験と実績が強みです。「一度離れてしまったお客様が戻ってきてくださる」ことも多々あり、信頼をいただけるよう日々、努力しております。
そのような実績と信頼をいただくために、タイでは通関士が1人でも存在すれば通関業が行えますが、弊社では常に30―40人の通関スペシャリストが家電系、素材系、自動車系などと専門分野に分かれて業務に当っており、お客様の痒いところに手が届けば、と取り組んでいます。
税関のみならず、ほかの官公庁とのやり取りや新規法令・改正法令のいち早い確認、情報収集も、スムーズな通関を実現するための重要なポイントです。例えば素材などの不当廉売価格の法令を把握していなかったり、税関以外の官公庁への申請が不慣れで滞ったりすると、時間ばかり浪費して一向に通関できないという事態に陥ります。
――現在では幅広い分野での活躍が日系企業に知られています
航空・海上国際フォワーディングはもちろん、そのような国際輸送にプラスしての通関業に強みを持っていることは、昔も今も同様です。そのほか、倉庫業や国内輸送といった事業も、取引先の皆様のご支援いただき、大きく成長してきました。
国内輸送では日々、千台強のトラックをコントロールし、輸出入貨物のデリバリーはもとより、お客様のニーズに合わせ、ミルクラン、全国配送、クロスボーダー、ケミカルローリー車の運行などを拡充しています。
倉庫業では、製品に合った保管環境を提供するという「付加価値」を追求。ただ保管するだけでなく、細かなニーズに応える倉庫の開発を続けています。今や倉庫業や国内輸送が、弊社事業の大きな軸となっています。
付加価値を高めた倉庫業
――倉庫業務でハラル認証を取得したと聞きました
2017年4月、タイ・イスラム中央委員会(CICOT)から、ハラルの認証を取得しました。東部チョンブリ県レムチャバン港から20キロほどの既存倉庫を改修、スペースとトラック搬出入口の一部をハラル仕様としました。ハラルスペース内は専用のシートで仕切り、専用の手洗い場、ハンドリフト、パレットなどを使用。取り扱い方法のトレーニングを受けたスタッフが手順に沿ってオペレーションを行います。タイ国内の倉庫のハラル認証取得は、倉庫・物流企業として初めての例です。
ほかにも、倉庫業の範囲でのキッティング(組み立て)を取り入れた倉庫、鋼材など重量のある製品を保管する倉庫、保管する製品に合わせた温度の調整が可能な定温倉庫、危険品専用の倉庫など、さまざまな用途に合わせた倉庫を持ち合わせております。特に危険品倉庫は、関わる法令自体は大きく変わっていないのですが、取り扱う企業のコンプライアンス体制も重視され、最近はより厳密な適用が求められており、弊方に引き合いをいただくことも多くなっています。
――タイは至るところで倉庫を見かけますが?
バンコクとタイ東部を結ぶバンナー・トラート通りの沿線とレムチャバン港一帯が、2大倉庫・物流エリアと呼ばれています。一般倉庫は、2011年にタイ中部・北部で発生した大洪水の被災からの復旧・復興過程で造り過ぎた感があり、供給過多に陥っているのではないでしょうか。先のように、単なる保管ではなくオペレーションという付加価値や、保管する製品に合わせた機能を提供していく必要があると実感しています。
弊社は、2大倉庫エリアはもちろん同地域から南下したラヨン県マプタプット港周辺にも、倉庫を保持、当地の主要産業である化学産業にも対応しています。そのほかの地方においても、タイ各地に設けたトラックの積み替え基地での一時保管オペレーションも可能であり、タイ経済のさらなる発展に伴ってネットワークを充実できるものと期待しております。
この時代、「ものを運んで終わり」というレベルでは、同業・競合に敵いません。倉庫のみならず輸送手段でも付加価値を見出していかなければなりません。例えば弊社では、生鮮品などの長期保存が可能な窒素を充填したコンテナー輸送などを実施していますし、大型バイク輸送に特化したラックを設置した車両の開発なども行っています。今やさまざまなアイデアが求められています。
――今後の事業展開など
2017年夏よりドンムアン空港での貨物取り扱いを再開しました。格安航空会社(LCC)便を利用したサービスであり、価格的なキャンペーンも展開しておりますが、本来の価値はバンコク北部という立地にあります。ドンムアン空港はバンコク以北への輸送により適しており、その利便性にてお客様に時間、コストのメリットをご提供できれば、と考えております。
また、タイはさらなる発展が期待できる国です。産業の高度化を目指す「タイランド4.0」や「東部経済回廊(EEC)」への対応など、弊社が成すべきことは数多くあると考えております。
――ありがとうございました
Yusen Logistics (Thailand) Co., Ltd.
住所:2525 One, Two FYI Center, 2nd, 6th, 7th Fl., Rama 4 Rd., Klongtoey, Klongtoey, Bangkok 10110
電話:0-2034-8284(番場) ウェブサイト:https://www.yusen-logistics.com/jp
《企業インタビュー》各種輸送 物流ソリューション 通関 倉庫・配送サービス Yusen Logistics (Thailand) Co., Ltd.
2018年1月8日(月) 18時58分(タイ時間)
《newsclip》
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