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日本人被害者500人? アユタヤの分譲マンションで45億円規模の投資詐欺の疑い 刑事告訴でタイ警察が捜査

2018年4月16日(月) 12時50分(タイ時間)
提出書類を受理する犯罪制圧課の担当官(左)の画像
提出書類を受理する犯罪制圧課の担当官(左)
登記されないまま登記料を請求の画像
登記されないまま登記料を請求
ローン支払いの領収書の画像
ローン支払いの領収書
架空の配当金などが示された明細書の画像
架空の配当金などが示された明細書
管理費やローンなどの請求、支払いは日本円もしくは香港ドルの画像
管理費やローンなどの請求、支払いは日本円もしくは香港ドル
マカオへの振り込み指示もあるの画像
マカオへの振り込み指示もある
分譲状況を示す価格表の画像
分譲状況を示す価格表
証拠として提出される書類の画像
証拠として提出される書類
タイ警察犯罪制圧課を訪れたアソーク法務会計事務書の画像
タイ警察犯罪制圧課を訪れたアソーク法務会計事務書
関係図の画像
関係図
【タイ】分譲マンションへの投資で詐欺に遭ったとしてタイ国内外の日本人が刑事告訴、タイ警察が捜査に乗り出した。

 4月12日までに証拠書類を提出した被害者は25人、手続きを代行するタイ弁護士事務所は計86人の委任状を受けているという。実際に投資した日本人は500人に及び、総額13億バーツ(45億円)に達すると見られる。タイ警察の捜査対象はほとんどが日系企業。必要に応じて海外の警察機関にも協力を要請するとしている。

 投資詐欺の舞台とされるのは、現在サービスアパートとして運営されている中部アユタヤ県内の物件。全7棟、住居スペース553ユニット、商業施設17ユニット、ほかクラブハウスなどを合わせ持つ。2012年に投資物件としてタイ国内外の日本人を対象に説明会が開かれ、およそ500人の日本人が1ユニット195万―245万バーツで購入したとされる。

 物件は2014年に完成。賃貸物件としての営業が始まり、主に在アユタヤ日本人が入居した。完成後すぐに日本人投資家が所有者として登記されるはずだったが、同年クーデターが発生。「軍政のため手続きが困難」という理由で登記が棚上げ状態になったまま現在に至る。

 そのうち、下水道処理をはじめとする多々の問題が発生。手抜き工事や登記不備の実態、管理会社による虚偽の説明や密かな転売の目論見などが次々と明るみに出て、今回の日本人投資家の刑事告訴となった。タイの弁護士事務所「アソーク法務会計事務所」が被害者の窓口となって手続きを代行。証拠書類はタイ警察犯罪制圧課に提出され、同課が捜査に乗り出している。

これまでの経緯(アソーク法務会計事務所の調査結果による)

■2012年1、2月ごろ、マカオの日系資産運用コンサルティング会社“GI”が「総合居住スペース“W”」を企画、現地でタイ国内外の日本人を対象に説明会を開く。最終的におよそ500人の日本人が購入したとされる。

■2013年2月起工式。ヨンユット元副首相の参列も要請し、日タイ架け橋的役割もアピール。タイの日系不動産仲介会社“H”が受注、建設会社“WP”および所有会社“WR”を設立。“GI”が運営会社としてタイ現法“GA”を設立。“WP”は“W”をサービスアパートとして土地家屋登記簿を登記。

■起工式に前後して「外国人による49%以上の区分(ユニット)購入は不可」という指摘が投資家から寄せられ、「区分所有権」(購入)を「定期借地権」(30年賃貸権)に切り替えるよう勧める。一部の投資家が定期借地権を了承。

■2014年8月竣工式。開館後、在アユタヤ日本人の入居が始まるが、入居者数は常に十数人にとどまる。

■開館直後より問題が多発。物件がサービスアパートとして土地家屋登記簿されているため、日本人投資家による区分所有権もしくは定期借地権としての登記が不可に。手抜き工事によって環境影響評価(EIA)の認証も取得が不可に。それによって建物使用許可も出ないままで、違法営業の状態が続く。変更されたのは分譲マンションとしての土地家屋登記簿のみ。決算報告も行われず、莫大な追徴課税が見込まれる。

■2016年ごろ、7億バーツでの一括転売を画策。相手から資産価値評価手続きを要請されて失敗。

■前後して元請けである“H”日本人社長が建設費3500万バーツ(1億2000万円)の不足を主張。“GI”と「不足分は“W”に付随する商業施設の所有権で相殺」と合意。ほか、租税回避地(タックスヘイブン)・バヌアツの設立と思われる日系金融会社“LC”が “GI”に数千万円を貸し付け。その引き換えとして投資家のローン債権回収の権利を手に入れる。このころより、ローン支払いの投資家が支払い先を“LC”と指示される。

■これまでの“GA”から投資家への説明は「軍政で手続きが困難」。「管理費」として集めた現金を「配当金」として戻すといった小細工で問題を隠す。“GA”は収益皆無のため、“LC”日本人社長が運転資金をハンドキャリーで持ち込み。そのうち、「所有者として登記されていないのに配当金を受けられるのが不思議」など、疑いを持つ投資家が増加。“GA”が「買い取り保証」を提案。

■“H”と“GI”の合意に、買い取り保証の資金集めに支障をきたすとして“GA”が反対。2016年ごろまでに、裁判沙汰となって“H”が敗訴。その結果、物件所有会社“WR”の社長が“GA”のタイ人弁護士に入れ替わる。

■2017年、ただで物件を手に入れた“WR”の新社長が、管理業務を行う“GA”の追い出しを画策、裁判沙汰に。“W”の日本人入居者は当時、“WR”と“GA”の両社より家賃の支払いを求められる。

■“WR”が勝訴するも“GA”が居座り、行政による退去命令を無視。“GA”日本人社長が身柄を拘束される寸前に国外逃亡。現在は新たな日本人が社長に就任、“WP”社長に3千万バーツでの経営譲渡を提案。

■ “GA”が買い取り保証の2018年4月「買い取り開始」を「希望受付開始」にすり替えて時間稼ぎを図る。買い取り価格は20%前後という情報が漏れて投資家たちが怒り出すが、(今回の)集団刑事告訴に参加する投資家は「買い取り保証の対象外」と脅迫。
《newsclip》

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