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元タイ首相、軍政の政治家引き抜きに不快感

2018年7月24日(火) 17時23分(タイ時間)
アピシット党首の画像
アピシット党首
写真提供、民主党
【タイ】タイの2大政党のひとつ、民主党のアピシット党首(元首相)は23日、同党の下院議員経験者が「新党」による引き抜きにあっていることを認め、懸念を示した。

 「新党」は金銭、閣僚ポスト、訴追の回避などと引き換えに移籍を働きかけているという。アピシット党首は「新党に移籍する政治家は国家のためでなく自分の利益のために移籍するということを国民にわかってもらいたい」「社会はこうした政治を拒絶すべきだ」などと述べた。

 アピシット党首は明言しなかったが、「新党」は軍事政権傘下のパランプラチャーラット党とみられる。軍は2019年前半に実施するとみられる民政移管のための下院総選挙で親軍派が勝利し、プラユット首相(元タイ陸軍司令官)が続投するというシナリオを描いている。この目標に向け、選挙に強い地方政治家の取り込みに力を入れ、今年4月にはタイ東部に強い影響力を持つクンプルーム一族の2人を首相顧問などに任命した。その後もタイ各地で移動閣議を開き、地方への予算投下、地元有力者とのパイプづくりを急いでいる。

 民主党のライバルで、軍政と対立するタクシン元首相派のプアタイ党も、地盤の東北部、北部で下院議員経験者や地元の有力支援者が次々に軍政側に寝返っていると報じられている。ただ、軍政は2014年のクーデター以来、政党活動を禁止しており、民主党、プアタイ党のいずれも反撃の手段がほとんどない状態だ。

〈タイ政局の主な動き〉
■2001年
警察官僚から実業家を経て政界入りしたタクシン氏が率いる政党が議会下院選で勝利。タクシン氏が首相に。
■2005年
任期満了にともなう下院選でタクシン派政党が議席の75%を得て圧勝。タクシン首相が2期目。
■2006年
反タクシン派市民がバンコクで大規模なデモ。タクシン首相が下院を解散、総選挙に踏み切るが、民主党がボイコット。憲法裁判所が選挙無効の判決。9月に軍事クーデターが発生し、タクシン政権崩壊。
■2007年
軍事政権が民主主義を制限した新憲法を制定。民政移管のため実施された下院選でタクシン派政党が勝利。タクシン派政権発足。
■2008年
反タクシン派市民がバンコクの首相府、スワンナプーム空港などを占拠。最高裁判所が選挙違反でタクシン派政党を解党し、政権崩壊。民主党を中心とするアピシット連立政権発足。
■2010年
バンコク都心を占拠したタクシン派市民を軍が鎮圧。90人以上が死亡、約2000人が負傷。
■2011年
下院選でタクシン派プアタイ党が勝利。タクシン氏の妹のインラク氏が首相に就任。
■2013年
インラク政権・与党がタクシン派と反タクシン派の政治抗争で投獄、訴追された人に包括的な恩赦を与える恩赦法案の成立を図る。10月、民主党が大規模な反政府デモを開始。12月、インラク首相が下院を解散。
■2014年
1月から反タクシン派市民がバンコクの主要交差点を占拠。2月の議会下院選は民主党がボイコットした上、民主党系のデモ隊が投票を妨害し、3月に憲法裁が選挙無効の判決。5月7日、幹部官僚人事をめぐる職権乱用を理由に、憲法裁がインラク首相ら10閣僚を解任。5月20日、プラユット陸軍司令官が戒厳令を布告し、実権を掌握。同22日、クーデターを宣言し、インラク政権崩壊。プラユット軍事政権発足。
《newsclip》

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