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タイ軍政、民主党に揺さぶり 元下院議員を首相副秘書官長に

2018年9月13日(木) 00時24分(タイ時間)
【タイ】2019年の実施が予想される民政移管のためのタイ議会下院(定数500)総選挙を前に、同国の2大政党のひとつである民主党が軍事政権との関係をめぐり揺れている。

 もともと民主党の支持基盤はタイの伝統的なエリート層・権力層とバンコクの中間層、南部で、軍政の支持層と重なる。同党のアピシット党首(元首相、54)は民主主義を重視し、軍政と距離を置く姿勢をみせているが、民主党内には軍政に協力してプラユット首相(元陸軍司令官、64)の続投を目指す動きがある。

 こうした中、軍政は11日の閣議で、民主党のプティポン元下院議員(49)をプラユット首相付副秘書官長(政治担当)に任命した。プティポン氏は米国生まれで、元閣僚の祖父、著名医師の父を持つエリート家系の出身。下院議員のほか、バンコク副都知事、タイ首相府副報道官などを務めた。元民主党幹事長のステープ元副首相が主導した2013年、2014年の反タクシン派政権デモではリーダーの1人として活躍。軍はこのデモを口実に弱体化したタクシン派政権をクーデターで倒し、全権を掌握している。

 今回のプティポン氏の任用は民主党内の軍政支持派を結集し、アピシット党首の求心力を低下させることが狙いとみられる。アピシット党首は2005年の就任以来、党首の座をめぐる実質的な挑戦を受けたことがなかった。しかし、2019年の下院選前に実施されるとみられる党首選には、軍政支持派のアロンコン元副党首らが名乗りを上げている。アピシット党首の優位は動かないとみられるが、次回の党首選は初めて党員投票も行われる見通しで、ライバルとの得票差が少なければ、アピシット党首の指導力に陰りが出ることも予想される。

 軍政が作成し2017年に施行した新憲法の規定で、議会上院(定数250)の議員は実質的に軍政が選任するため、軍政は下院選後も上院を通じて国会の3分の1を自動的に抑える。ただ、政権を維持するには下院で130―140議席確保する必要がある。このため、軍政は民主党とタクシン元首相派のプアタイ党という2大政党の派閥の切り崩し、中小政党の取り込みに力を入れ、今年4月にはタイ東部に強い影響力を持つクンプルーム一族の2人を首相顧問などに任命した。その後もタイ各地で閣議を開き、地方への予算投下、地元有力者とのパイプづくりを急いでいる。
《newsclip》

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