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そのシステム導入、ちょっと待った! 導入の際に考慮すべき3つのこと ―2―

2018年11月1日(木) 23時45分(タイ時間)
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そのシステム導入、ちょっと待った! 導入の際に考慮すべき3つのこと ―2― 塚本 裕司
そのシステム導入、ちょっと待った! 導入の際に考慮すべき3つのこと ―2―

文:塚本 裕司

 昨今、IOTや人工知能(AI)などの浸透により、業務効率化のための業務管理システム導入のご相談を多く頂きます。しかし、ITには詳しくなく、どのようにシステム化を進めてよいのかわからないという方も多いようです。そこで、これからシステム導入を検討されている企業の管理者様向けに、システム導入を検討する上で考慮して頂きたいことを、3回に渡ってお伝えします。

2回目は、『まず業務の棚卸をし、目指すべき業務を検討する』 です。
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 たとえば、ある日、会社の方針として、あるいは日本本社からの意向で、システム化による業務の効率化を目指すことになった際、みなさんはどうされますか?

・ システム導入なんてやったことないからわからない、ITは詳しくないし、難しそうだ
・ 日常の伝票業務はタイ人担当者が行っているから、タイ人担当者に聞いてもらわないとわからない、自分では取り決めできない
・ 日本本社はシステム化しなさいというが、タイ人担当者は現状の業務で困っていないと言っているし、システム化なんてそもそもウチには不要なんじゃないか?


 こんな理由で、システム化することになかなか前向きになれなかったり、または日本本社からいわれるので、しかたなくシステム化を検討し、そのプロジェクトをタイ人担当者に任せきってしまう、ということは無いでしょうか?

 そうしてタイ人担当者に任せきってしまうと、よく起こることが、『システム化したけれど、これまでとまったく同じ手続きで業務をしており、果たして投資に見合った“効率化”は達成できたのか?』という問題や、あるいは各担当者がひっきりなしに要望をあげてしまって、まったくシステムが稼働できそうにない、というトラブル・プロジェクトになってしまうケースもあります。

 こうしたことがなぜ起きてしまうか。私が考えるその理由の一つが、

『担当者は今までのやり方を変えたがらない』

という、『担当者』としての業務目線や意識の問題です。

 これは、私の経験上、タイだけでなく、日本やその他の国でも共通に見られます。

 担当者は、エクセル作業がシステムに変わっても、あるいはこれまでのシステムを新しいシステムに切り替えるとしても、『これまでと同じ手続き』で作業ができることを望みます。そのため、画面の項目や操作性だけでなく、各帳票についても、『まったく同じものが新システムでも対応できること』を要望としてあげます。

 ですから、システム化をタイ人担当者に任せきってしまうと、『システム化によって現状よりも業務が効率化される』というゴールはプロジェクトの途中で忘れ去られてしまい、いつしか『新システムをこれまでと同様に使えるようにすること』がプロジェクトのゴールとなってしまうことがよく起こります。

 ですから、私は新システムで実現する業務フローは、あくまで担当者目線で決定するのではなく、必ず『管理者によるトップダウンで決められるべき』であると考えます。

 しかし、日本人管理者は、タイに赴任されて間もない、あるいは言葉の問題などもあって、タイ人担当者が日々どのように業務を行っているか、さっぱりわからない、という場合も多いです。

 そこで、まずシステム化を検討されるにあたっては、システム開発ベンダーにまずこれを依頼されたほうが良いというのが、『現状の業務の棚卸をする』ことです。現状の業務はどうなっているのか、それをシステム開発ベンダーに各担当者へのヒアリングを実施してもらい、現状の業務フロー図と業務分析資料を作成してもらって、まず現状の業務がどうなっているのかを把握します。
この作業をまず実施することで、得られるメリットが二つあります。

 一つは、新システムになっても抜け落ちてはいけない管理帳票や業務の手続きがわかります。『変えてはいけないことは何か』が明確となります。
これがわかれば、この抜け落ちてはいけない業務を踏まえて、そこから先は、業務の手続きを見直し、不要な管理帳票は廃止する、という判断がトップダウンでできます。

 もう一つのメリットは、新システム導入をベンダーに任せる前に(大きな金額を契約してしまう前に)、そのベンダーとの相性や実力値をチェックできます。

 システム構築を成功に導けるかどうかは、たとえ『パッケージ化されたシステム』であっても、導入するベンダーの力量、お客様業務への理解度や、業務効率化への提案力、お客様業務に適合させるためのシステム開発のノウハウなど、そのシステムエンジニアという『人の能力』にも依存します。

 そうした実力値を知る意味でも、業務分析というプチ・プロジェクトを任せてみて、現状の業務調査と、そこからどう改善できるのか、目指すべき業務の設計図を書かせてみて、その成果物をまず見てみる、というのも、これからシステム化を検討される会社にとっては有効です。

 『担当者は今までのやり方を変えたがらない』というのは、何もみなさんの会社の担当者に限りません。すべての会社で共通のことです。担当者目線では現状よりも業務を効率化させることはできません。トップダウンで決定すべきです。そのためにも、まず必要な調査をして、目指すべき業務のあり方を考えることが重要です。

tsukamoto
塚本 裕司

ACTY SYSTEM (THAILAND) CO., LTD.   MANAGING DIRECTOR

 明治大学理工学部卒。システム開発会社に入社し、SE・プログラマーとしてソフトウェア開発に従事。29歳でタイ・バンコクへ渡り、タイ国の日系製造業、商社・卸業向けに業務管理システムを開発・導入。現在40歳、在タイ10年。
《newsclip》

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