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三菱自、東南アジアで受ける「ダイナミックシールド」 世界へはばたく顔となるか【藤井真治のフォーカス・オン】

2018年12月2日(日) 19時25分(タイ時間)

東南アジアで受ける「ダイナミックシールド」、世界へはばたく顔となるか【藤井真治のフォーカス・オン】

三菱 トライトン / L200 新型の画像
三菱 トライトン / L200 新型
三菱 トライトン / L200 新型の画像
三菱 トライトン / L200 新型
三菱 エクスパンダーの画像
三菱 エクスパンダー
三菱デリカD:5新型の画像
三菱デリカD:5新型
《撮影 雪岡直樹》
三菱 デリカD:5 新型の画像
三菱 デリカD:5 新型
《撮影 雪岡直樹》
◆三菱トライトンの新しい「顔」

三菱が東南アジアで気を吐いている。その元気な三菱を象徴するのが「この顔」だ。

11月19日、自動車総市場の半数近くが1トンピックアップ市場という小トラ王国のタイでマイナーチェンジされた三菱の『トライトン』。タイの競合他社陣営はこの個性的デザインに正直「やられた!」と思ったに違いない。

現在このタイ・小トラ市場でのトップ争いはトヨタといすゞで展開されている。それぞれ『ハイラックス』、『D-MAX』という自慢のモデルで月販1万2000台以上の激しい販売競争を展開している。報奨金競争も含めたビッグ2の競争の影で三菱トライトンはこれまで両者の3分の1程度の販売台数と見劣りしていた。

ハイラックスのデザインが2015年のモデルチェンジで保守的になったことやD-MAXがモデルチェンジしてから5年経過しているこの間隙をぬって、この顔の三菱トライトンがタイで大きく販売台数を伸ばすことは間違いない。

◆「ダイナミックシールド」のインパクト


「ダイナミックシールド」と呼ばれるこのデザインコンセプト。日本の販売モデルにも採用され始め、日本市場での主力モデル『デリカD:5』の改良型にも取り入れられることが決まってはいるが、そのインパクトはまだ東南アジアに比べればはるかに小さい。

三菱はタイに先行しインドネシア専用車に既にこの顔を採用。そのモデルは月販1万台を超える大成功を収めているのである。日本での月販平均台数が9000台弱(含む軽自動車、ふそう除き)の三菱にとっては大変なことなのだ。

インドネシアで三菱はふそうの2トントラックの販売など商用車をこれまで事業の核としていたのだが、市場の将来性と根強い三菱ファンの存在に勇気づけられ乗用車部門で一気に勝負に出た。その成功の立役者(たてやくしゃ)がこのモデルなのだ。

三菱はインドネシア専用車とも言うべきMPVを新規開発し昨年市場投入した。このために650億円の新工場建設投資を行う他、販売店も従来の併売店を乗用車店と商用車店を完全に切り離した。経営リソースのない中で三菱本社益子CEO自ら決断し、万を持して開発生産発売された『エクスパンダー』。もともとタフなクルマというブランドイメージのあった三菱のこのデザインが市場で評価され、発売以来あっという間に販売台数を伸ばした。本年はトヨタのベストセラーカーであるMPV『アバンザ』の地位をも脅かす存在にまで成長し、既に新工場は能増モードである。

◆勢いの止まらない「この顔」、日本では…


タイやインドネシア市場をねらって開発された両モデルだが、このモデルコンセプトが通用する市場も海外に存在する。トライトンはこれまでも実績のあるオーストラリアや中近東輸出で販売を伸ばすと見られる。また、エクスパンダーは他の東南アジア諸国への輸出が開始されている、得に総市場でトヨタに次ぐ2位と健闘しているフィリピンでの販売増が期待されている。

三菱の東南アジアでのこれらの戦略、日産が三菱の筆頭株主になる以前の既定路線だったようで、日産やルノーとのアライアンスに巻き込まれる前に益子CEOがどんどん進めてしまったのはさすがだ。

生産国での市場に挑戦しながら同時に世界への輸出に挑む東南アジア発のモデル。勢いの止まらないこの顔の三菱車が、いつのまにか日本の街を走り回っているかもしれない。

<藤井真治 プロフィール>
(株)APスターコンサルティング代表。アジア戦略コンサルタント&アセアンビジネス・プロデューサー。自動車メーカーの広報部門、海外部門、ITSなど新規事業部門経験30年。内インドネシアや香港の現地法人トップとして海外の企業マネージメント経験12年。その経験と人脈を生かしインドネシアをはじめとするアセアン&アジアへの進出企業や事業拡大企業をご支援中。自動車の製造、販売、アフター、中古車関係から IT業界まで幅広いお客様のご相談に応える。『現地現物現実』を重視しクライアント様と一緒に汗をかくことがポリシー。
《フォーカスオン@レスポンス》


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