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タクシン元首相と妹のインラク前首相 曽祖父の出身地、中国・汕頭訪問

2019年1月7日(月) 14時11分(タイ時間)
【タイ】タイ字紙カオソッドなどによると、事実上国外亡命中のタクシン・チナワット元首相と妹のインラク・チナワット前首相が5日、父方の曽祖父の出身地である広東省汕頭市を訪れ、現地に住む縁戚の歓待を受けた。

 タクシン兄妹の曽祖父は汕頭からタイ東部ジャンタブリ県を経てタイ北部チェンマイ県に移民した「丘」姓の客家系華人。祖父はタイシルクなどの事業で財をなし、12人の子どもをもうけた。

 タクシン兄妹の父ルート氏は兄弟姉妹らとともに家業であるタイシルク事業の経営に携わったほか、農園、映画館などの事業を展開。チェンマイ県議、下院議員も務めた。チェンマイの名家出身の妻をめとり、タクシン元首相、インラク前首相ら10人の子どもをもうけた。


《タクシン・チナワット》
 タクシン・チナワット元首相は1949年、タイ北部チェンマイ生まれの客家系華人。中国名は丘達新。警察士官学校を卒業後、米国に国費留学し、刑事司法博士号を取得。帰国後、警察に勤務するかたわら、官公庁へのコンピュータリース、不動産開発などを手がけ、1987年に警察中佐で退職。その後、携帯電話サービス、通信衛星などを展開するタイ通信最大手シン・グループを育て上げ、タイ屈指の富豪となった。
 1995年に政界に転じ、1998年に政党を設立。地方、貧困層へのばらまき政策を掲げ、2001年の議会下院総選挙で大勝し首相。2005年の総選挙も圧勝、首相に再選されたが、2006年9月の軍事クーデターで失脚し、事実上の国外亡命を強いられた。軍部はクーデターの理由に、タクシン氏のタイ王室軽視と汚職を挙げた。
 民政移管のため行われた2007年末の総選挙でタクシン派が勝利し、タクシン氏は2008年2月に帰国。同年8月に出国し、不在中の10月、首相在任中に当時の妻が国有地を競売で購入したことで禁錮2年の実刑判決を受けた。以来、タイに帰国せず、ドバイなどに滞在している。
 タクシン派政党は2008年12月に選挙違反で解党され、これに伴い、タクシン派政権から一部派閥と中小連立4党が野党・民主党に寝返り、反タクシン派アピシット民主党連立政権が発足した。
 チナワット家のタイ国内の資産約760億バーツは2006年のクーデター後、凍結され、タイ最高裁が2010年2月、不正蓄財だとして、このうち464億バーツの国庫没収を命じた。同年4、5月、タクシン派のデモ隊がバンコク都心部を占拠し、治安部隊との衝突で、91人が死亡、1400人以上が負傷。デモは最終的に武力鎮圧されたが、銃撃戦や放火でバンコク都内は大混乱に陥った。
 アピシット政権は翌2011年5月に下院を解散。同年7月の総選挙ではタクシン派政党プアタイが過半数を制して政権に復帰し、タクシン氏の妹のインラク氏が8月に首相に就任した。インラク政権は2013年に、タクシン氏らへの恩赦を画策したが、反タクシン派による大規模な反政府デモを招き、2014年5月、軍事クーデターで崩壊した。
 インラク氏は2017年8月、汚職裁判の判決直前に国外に逃亡。同年9月、最高裁がインラク氏に禁錮5年の実刑判決を下した。
 タクシン氏の支持層は東北部と北部の住民、バンコクの中低所得者層が中心で、特権階級、南部住民とバンコクの中間層を中心とする反タクシン派と対立している。反タクシン派が重視する伝統的な階級・民族秩序に地方住民、中低所得者層が挑戦するという構図で、タクシン派が選挙で勝ち続ける一方、反タクシン派は軍と司法、デモを駆使してタクシン派政権をひっくり返し、事態が収拾するめどは立っていない。
 反タクシン派の軍事政権は議会下院総選挙を2019年に実施する方針だが、議会上院を軍政の任命制としたほか、有力政治家の自陣への取り込みに力を入れ、総選挙後もタクシン派の復活を許さず、政権を担う姿勢をみせている。
《newsclip》

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