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アピシット元タイ首相が議員辞職、民主党の連立政権参加に抗議

2019年6月6日(木) 00時04分(タイ時間)
アピシット氏の画像
アピシット氏
写真提供、民主党
【タイ】民主党のアピシット前党首(元首相)が5日、下院議員を辞職すると表明した。

 民主党が4日の役員会で、軍傘下の新党パランプラチャーラット党率いる連立政権に加わり、首相指名選挙でプラユット首相(元陸軍司令官)に投票することを決めたため。アピシット氏は2014年のクーデターで政権を握ったプラユット首相の続投に反対していた。

 民主党は1946年設立のタイで最も古い政党。南部とバンコクが地盤で、1990年代には当時党首だったチュワン・リークパイ下院議長が2度首相を務め、政界をリードした。2001年以降は東北部、北部の住民が支持層のタクシン元首相派の政党と2大政党状態になったが、2011年まで4回の下院選すべてでタクシン派に敗れた。

 今年3月に8年ぶりに行われた下院(定数500)選では、タクシン派を嫌う南部住民らがパランプラチャーラット党に、民政復帰を求めるバンコクの中間層などが民主派の新党である新未来党に流れ、民主党の獲得議席は2011年の前回下院選の159から53に激減した。アピシット氏は責任を取り党首を辞任し、5月15日の党首選で、ベテラン政治家のジュリン党首代行が党首に選出された。

 アピシット氏は選挙戦終盤に、プラユット首相の続投を支持しない方針を打ち出した。しかし、パランプラチャーラット党との連立は否定しないという中途半端な立場をとったことから、新未来党に流れた支持は戻らず、反タクシン派をパランプラチャーラット党に押しやる結果となった。「民主」の看板を掲げつつも、支持層は東北住民らの政治参加に否定的という民主党のねじれ体質が如実に現れた選挙戦だったといえる。

 アピシット氏が去ったことで、民主党は軍・パランプラチャーラット党と組む障害がなくなった。ジュリン党首は、政権入りして実績を積むことで党勢回復を狙うもようだ。

〈アピシット・ウェーチャチーワ〉
 1964年、英ニューカッスル生まれ。英イートン校からオックスフォード大学に進み、哲学、政治学、経済学の学位を取得。タイ人で2人目の首席だったという。同大学で経済学修士号を取得後、タイのタマサート大学講師を経て政界入りし、1992年から下院連続当選。2005―2019年民主党党首。2008―2011年首相。
 両親はともに医者で、父親は副保健相を務めた。姉は医師、妹は2006年度東南アジア文学賞を受賞した作家。タイのチュラロンコン大学数学講師だったピムペン夫人との間に1男1女。アピシットはタイ語で「特権」。
《newsclip》

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