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タイ国王が閣僚名簿承認、軍政主要閣僚留任

2019年7月11日(木) 01時41分(タイ時間)
プラユット首相の画像
プラユット首相
写真提供、タイ首相府
【タイ】軍事政権から民主政権への移行を進めるタイで、プラユット首相(元陸軍司令官)が提出した閣僚名簿が10日、ワチラロンコン国王の承認を受けた。近く宣誓式を行い、第2次プラユット政権が発足する。

 経済政策の司令塔であるソムキッド副首相など主要閣僚は軍政時代とほぼ同じ顔ぶれで、主要経済政策の継続性は確保される見通し。ただ、組閣をめぐっては、主要な連立パートナーである民主党とプームジャイタイ党に加え、政権の母体となる親軍政党パランプラチャーラット党の有力派閥が閣僚ポストの配分に強い不満を表明した。19もの政党が参加する連立政権の政策、利害の調整の難しさが露呈したかたちで、プラユット首相は細心の政権運営を迫られそうだ。

 主要閣僚ではソムキッド副首相のほか、法務を取り仕切るウィサヌ副首相、アヌポン内相(元陸軍司令官)、ドーン外相らが留任した。プラユット首相の軍時代の上司であるプラウィット副首相(元陸軍司令官)も留任するが、兼任していた国防相は外れ、プラユット首相が国防相を兼任する。

 パランプラチャーラット党党首のウタマ前工業相は財務相、党幹事長のソンティラット前商務相はエネルギー相に転任する。2人はソムキッド副首相の側近。

 パランプラチャーラット党の有力派閥を率いるソムサック元保健相は法相、スリヤ元工業相は工業相に就任した。スリヤ氏はエネルギー相への就任を約束されていたため、記者会見を開き、ソンティラット幹事長の解任を求めたが、プラユット首相の説得に応じ、工業相ポストを受け入れた。

 民主党はジュリン党首が副首相兼商務相、チャルームチャイ幹事長が農業協同組合相、プームジャイタイ党はアヌティン党首が副首相兼保健相、サクサヤーム下院議員が運輸相に就任した。

 プラユット首相は陸軍司令官だった2014年、バンコクで発生した民主党支持者らによる大規模な反政府デモを理由にクーデターを起こし、タクシン元首相派の民選政権を倒し軍事政権を発足させた。内外の圧力を受け、今年3月24日、2011年以来初めての議会下院(定数500)選挙を実施。パランプラチャーラット党の議席数はタクシン派のプアタイ党に次ぐ2位だったが、6月5日に行われた首相指名選挙では、下院のパランプラチャーラット党、民主党、プームジャイタイ党などに加え、軍政が議員を選任した議会上院(定数250)がプラユット首相に支持票を投じ、プアタイ党、新未来党など民主派が立てた対立候補に圧勝した。

 軍政から民政に表向きは衣替えしたプラユット政権だが、国会運営の頼みは軍人、警官が議員の多数を占める非民選の上院で、完全な民主化にはほど遠い。民主主義を軽視し、タイの文化伝統をことさら強調する保守的な国家観には、若者や都市部の中間層などが反発を強めている。ただ、プラユット政権は通常の民主政権の権力が及ばない国家内国家的な組織であるタイ軍をコントロールできるため、タクシン派政権当時のような政府対軍という対立は起きず、基本的な部分での国家の安定は保たれる見通しだ。
 
《newsclip》

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