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ヘロイン密輸でオーストラリアで服役 タイ閣僚めぐる闇深まる

2019年9月10日(火) 13時12分(タイ時間)
タマナット氏の画像
タマナット氏
写真提供、タイ首相府
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タマナット氏
写真提供、タイ首相府
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タマナット氏
写真提供、タイ首相府
【タイ】7月の入閣時にヘロイン密輸でオーストラリアで服役した事実が発覚したタマナット副農業協同組合相(退役タイ陸軍大尉)が、本人の説明と異なり、麻薬犯罪に深く関わっていた疑いが浮上した。

 タイの軍部、権力層を取り巻く腐敗、犯罪の根深さがタマナット氏を通じて浮き彫りになり、プラユット政権への信頼が揺らぐ可能性がありそうだ。

 タマナット氏はこの問題について、「1993年にシドニーを訪れた際に、タイ人麻薬犯と一緒にいたため巻き添えになって逮捕された」「密輸に関わった事実はなく、8カ月で釈放され、オーストラリアに4年在住した」などと主張していた。

 しかし、オーストラリアのシドニー・モーニング・ヘラルド紙が9日、タマナット氏(当時の名前は「マナット」)がヘロインの密輸に深く関与し、オーストラリアで禁錮6年の実刑判決を受け、4年間服役したと、裁判資料をもとに報道。タマナット氏が犯罪組織やタイの有力者とつながっていたとも報じた。同紙によると、タマナット氏は1997年に釈放、国外追放となってタイに帰国すると、改名してタイ軍に復帰、翌年、昇進した。1998年には男性同性愛者の学者に対する性的暴行と殺人で逮捕されたが、2001年、無罪となった。

 タマナット氏は今年3月のタイ議会下院選にプラユット首相(元タイ陸軍司令官)を支持する親軍政党パランプラチャーラット党から出馬、当選し、副農業協同組合相に任命された。農業協同組合省のホームページのタマナット氏の履歴欄は空白となっている。8月に発表された下院議員の資産報告によると、タマナット氏の資産は9.3億バーツ(約33億円)に上る。

 シドニー・モーニング・ヘラルドの報道について、アヌポン内相(元タイ陸軍司令官)は10日、記者団に対し、「タマナット氏本人が説明すべき」「政権への影響はない」と述べた。

 タマナット氏の服役の事実は副農業協同組合相就任時に明らかになっていたが、プラユット首相は不問に付していた。タイでは過去にも、麻薬などの重大犯罪への関与がうわさされる人物が閣僚に起用され、物議を醸した。ただ、タマナット氏のように過去に麻薬絡みで服役した人物が入閣したのは異例。背後の闇は深く、真相解明は困難とみられる。
《newsclip》


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