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タイ政権与党で党首下ろし 新型コロナ禍でも権力闘争

2020年4月30日(木) 02時10分(タイ時間)
プラウィット副首相の画像
プラウィット副首相
写真提供、タイ首相府
プラウィット副首相の画像
プラウィット副首相
写真提供、タイ首相府
【タイ】プラユット・ジャンオーチャー首相(元陸軍司令官、66)を支える政権与党パランプラチャーラット党で、ウタマ・サーワナーヨン党首(財務相、59)とソンティラット・ソンティジラウォン幹事長(エネルギー相、60)の交代を求める動きが表面化した。

 政権ナンバー2でプラユット首相の陸軍時代の元上司であるプラウィット・ウォンスワン副首相(74)が党首に、サンティ・プロームパット副財務相(68)が幹事長に就き、同時に内閣改造を行い、ウタマ氏、ソンティラット氏、スウィット・メーシンシー高等教育・科学・研究革新相(58)らが閣外に去るというシナリオだ。

 ウタマ氏、ソンティラット氏、スウィット氏は軍事政権時代からプラユット政権の経済政策を担当してきたソムキッド・ジャトゥシーピタック副首相(66)率いる閣僚チームのメンバー。いずれも学者出身で、政治経験に乏しく、党内基盤が弱い。新型コロナウイルス対策で選挙区で得点を稼ぎたい党所属下院議員の予算要求を退け、党内の複数の派閥の不興を買ったという見方がある。

 ウタマ氏は27日、党の大物から辞任圧力を受けたことを認めた。当面は新型コロナウイルス感染症対策に取り組むとして、辞任は否定した。

 プラウィット氏は同日、党首交代や内閣改造を否定した。

 ソムキッド氏とウタマ氏、ソンティラット氏は29日、タマナット・プロムパオ副農相(54)とともに、スリヤ・ジュンルンルアンキット工業相(65)と会談した。権力闘争が激化する中、党の有力政治家であるスリヤ氏の支持を求めたもようだ。

 プラユット政権は新型コロナウイルス感染症への対応で手一杯で、すぐに党首交代や内閣改造が行われる見込みは低いとみられる。ただ、ソムキッド氏は、推進してきた環太平洋経済連携協定(TPP)への加盟が、連立与党のプームジャイタイ党と民主党の反対で極めて困難になるなど、影響力に陰りがみられる。この上、ウタマ氏らを失えば、ソムキッド氏本人の進退につながりそうだ。

 パランプラチャーラット党はプラユット軍事政権下の2018年、軍政の傀儡(かいらい)政党として結党された。軍政色を消すため、幹部に軍高官の名前はなく、ウタマ氏、ソンティラット氏らのほか、2013、2014年にタクシン派インラク政権の打倒を目指すデモを率いたナタポン元民主党下院議員、東部に強い影響力を持つクンプルーム家のイティポン元パタヤ市長らが役員に就いた。その後、スリヤ氏、サンティ氏ら元タクシン派のベテラン政治家、地方の有力政治家ら多数が合流。2011年以来初めて実施された2019年3月の議会下院(定数500)選挙で116議席を獲得し、タクシン派プアタイ党に次ぐ第2党となった。パランプラチャーラット党は下院の中小政党と、軍政が選任した非民選の議会上院(定数250)の支持を得て、国会での首相指名選挙に勝利、プラユット氏の首相続投を勝ち取った。
《newsclip》

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