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タイ政権与党、首相元上官が党首に ヘロイン密輸で服役の閣僚が副党首

2020年6月28日(日) 23時58分(タイ時間)
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写真提供、パランプラチャーラット党
ソムサック氏(左)とタマナット氏の画像
ソムサック氏(左)とタマナット氏
写真提供、パランプラチャーラット党
スリヤ氏の画像
スリヤ氏
写真提供、パランプラチャーラット党
【タイ】プラユット・ジャンオーチャー首相(元陸軍司令官、66)を支える政権与党パランプラチャーラット党は27日の党大会で、党執行部役員の改選を行い、プラウィット・ウォンスワン副首相(元陸軍司令官、74)を党首に選出した。

 プラユット首相の陸軍時代の上官で、タイの一部メディアが「影の首相」とも呼ぶ実力者が党首となったことで、パランプラチャーラット党を中心とする連立政権は安定感を増す見通し。一方、プラユット氏とプラウィット氏のパワーバランスが微妙に崩れ、政権運営に影を落とす可能性もある。

 今回の改選は、今月1日、執行部役員34人の過半数である18人が一斉に辞表を提出し、規定により執行部が解散したことを受け、行われた。幹事長にはアヌチャー・ナカサイ下院議員(60)が、副党首にはナタポン・ティーパスワン教育相(54)、ソムサック・テープスティン法相(65)、スリヤ・ジュンルンルアンキット工業相(65)、タマナット・プロムパオ副農相(54)ら23人が選出された。タマナット氏はヘロイン密輸でオーストラリアで服役した過去がある。

 前党首のウタマ・サーワナーヨン財務相(59)、前幹事長のソンティラット・ソンティジラウォン・エネルギー相(60)、前副党首のスウィット・メーシンシー高等教育・科学・研究革新相(58)は役員に選出されなかった。ウタマ氏、ソンティラット氏、スウィット氏は軍事政権時代からプラユット政権の経済政策を担当してきたソムキッド・ジャトゥシーピタック副首相(66)率いる閣僚チームのメンバー。いずれも学者出身で、政治経験に乏しく、党内基盤が弱い。現政権では非議員として入閣し、閣僚ポストを狙う党所属の下院議員から辞任圧力を受けていた。ウタマ氏、ソンティラット氏、スウィット氏らは近く閣僚ポストも失う見通しだ。

 パランプラチャーラット党はプラユット軍事政権(2014~2019年)下の2018年、軍政の傀儡(かいらい)政党として結党された。軍政色を消すため、幹部に軍高官の名前はなく、ウタマ氏、ソンティラット氏らが幹部に就任した。その後、スリヤ氏、ソムサック氏らタクシン政権(2001~2006年)で閣僚を務めたベテラン政治家、2014年にタクシン派インラク政権打倒のための大規模デモを主導したナタポン氏らのグループなどを取り込み、政党の形を整えた。2019年3月の議会下院(定数500)選挙では116議席を獲得し、軍と対立するタクシン派のプアタイ党に次ぐ第2党となった。パランプラチャーラット党は首相指名選挙で、非議員のプラユット氏を擁立。議会下院の中小政党と、軍政が選任した非民選の議会上院(定数250)の支持を得て、指名選挙に勝利し、プラユット氏の首相続投を勝ち取った。


〈プラウィット・ウォンスワン〉
1945年生まれ。陸軍士官学校17期卒。シリキット王妃の近衛師団である第2歩兵師団司令官(別名、ブラパーパヤック=東の虎)、陸軍第1管区司令官を経て、2004~2005年陸軍司令官。王党派、反タクシン元首相派のアピシット政権(2008~2011年)で国防相。元部下のプラユット陸軍司令官(当時)による2014年5月のクーデター後、プラユット軍事政権の副首相兼国防相に就任。2019年のプラユット民政政権発足で副首相。プラユット首相、アヌポン内相(元陸軍司令官)らブラパーパヤック閥の領袖とみられている。
《newsclip》

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