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タイ首相、内閣改造劇で権力基盤の弱さ露呈?

2020年7月21日(火) 22時40分(タイ時間)
プラウィット副首相の画像
プラウィット副首相
写真提供、タイ首相府
プラユット首相兼国防相の画像
プラユット首相兼国防相
写真提供、タイ首相府
【タイ】タイのプラユット内閣で15日に経済政策担当のソムキッド副首相、16日にウタマ財務相、ソンティラット・エネルギー相、スウィット高等教育・科学・研究革新相、20日にジャトゥモンコン労相とテーワン首相府相が辞任し、内閣改造への流れが加速している。

 プラユット首相兼国防相(元陸軍司令官、66)は当初、新型コロナウイルス感染症対策を優先し内閣改造に難色を示していた。しかし、新型コロナ対策の巨額の予算が決まったことで、連立各党が閣僚ポストの配分を求め圧力をかけ、首相が持つ閣僚枠の4人が辞任に追い込まれた。こうした動きに、小規模政党に所属するジャトゥモンコン労相とテーワン首相府相が党の事情から続いた。

 プラユット首相は軍の支持が権力基盤で、非議員で政党に所属していない。一方、首相の陸軍時代の上官で一部メディアが「影の首相」と呼ぶプラウィット副首相(元陸軍司令官、74)は議会下院(定数500)の与党第1党で親軍政党のパランプラチャーラット党(議席数118)の党首で、軍にも強い影響力を持つ。今回の内閣改造はプラウィット副首相が調整し、首相を押し切ったとみられ、プラユット首相とプラウィット副首相の力関係が浮き彫りになった。

 ただ、現政権の中核であるプラユット首相、プラウィット副首相、アヌポン内相(元陸軍司令官、70)はタイ陸軍の同じ派閥に属し、結束は固いとみられる。プラウィット副首相はシリキット王妃の近衛師団である第2歩兵師団司令官(別名、ブラパーパヤック=東の虎)から陸軍司令官になる出世ルートを切り開き、アヌポン内相、プラユット首相は同じルートで陸軍司令官に昇進した。

 プラユット首相は陸軍司令官だった2014年、バンコクで発生した大規模な反政府デモをきっかけにクーデターを起こし、タクシン元首相派の民選政権を倒して軍事政権を発足させた。内外の圧力を受け、2019年3月に2011年以来初めての議会下院選挙を実施。パランプラチャーラット党、プームジャイタイ党(現議席数61)、民主党(同52)などと、軍政が議員を選任した非民選の議会上院(定数250)の支持を受け、首相に再任された。

 下院での与野党の勢力は当初、きっ抗していたが、今年2月に政党法違反で解党された野党第2党、新未来党などから主にプームジャイタイ党が下院議員を引き込むことに成功し、与党陣営は現在、275議席前後を確保した。

 勢力を拡大したプームジャイタイ党は閣僚ポストの増枠を要求。パランプラチャーラット党では非議員で入閣したソムキッド氏、ウタマ氏ら4閣僚のポストの一部を下院議員に引き渡すよう求める圧力が強まり、6月の党大会で、党首だったウタマ氏、幹事長だったソンティラット氏らを事実上解任し、後任の党首にプラウィット副首相が就任した。
《newsclip》

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