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タイ富豪男性不起訴に世論猛反発、政権幹部が圧力?

2020年7月29日(水) 21時45分(タイ時間)
事故を起こしたフェラーリ(2012年)の画像
事故を起こしたフェラーリ(2012年)
 
ウォラユット容疑者(2012年)の画像
ウォラユット容疑者(2012年)
 
ウォラユット容疑者(2012年)の画像
ウォラユット容疑者(2012年)
 
【タイ】危険運転致死で国際手配されていた富豪のタイ人男性ウォラユット・ユーウィタヤーさん(35)が6月に不起訴となり、国際手配が取り下げられたことが明らかになり、タイ国内で反発が広がっている。

 ウォラユットさんは世界的に人気があるドリンク剤「レッドブル(タイ語名、クラディンデーン)」の創業者でタイ屈指の大富豪だった故チャリアオ・ユーウィタヤーさんの孫。2012年9月3日早朝、バンコク都内のスクムビット通りをフェラーリの高級スポーツカーで時速百数十キロで走行し、男性警官が運転するバイクに追突、この警官を死なせたとして、事故から5年後の2017年に逮捕状が出た。ウォラユットさんは逮捕状が出る数日前に出国し、以来、タイに帰国していない。

 検察は今回の不起訴について、新たに2人から「スポーツカーは制限速度内で走行していた」「バイクが事故直前に急にレーンを変えた」とする目撃証言が得られたためとしている。事故から8年後に新たな証人が出たという不自然な主張に対し、タイ国立タマサート大学法学部の教授ら法律家32人が検察と警察に不起訴に至った詳細な経緯を明かすよう要求したほか、レッドブル製品の不買を呼びかける声が市民団体から上がっている。

 プラユット・ジャンオーチャー首相兼国防相(元タイ陸軍司令官)は27日、首相府報道官を通じ、不起訴にするよう圧力をかけた事実はないと主張。29日、不起訴に至った経緯や是非を調査する委員会の設置を命じた。

 プラユット首相の陸軍時代の上官で政権与党パランプラチャーラット党々首のプラウィット・ウォンスワン副首相(元タイ陸軍司令官)は29日、ユーウィタヤー家とつながりがある弟のシタワット・ウォンスワン上院議員(海軍大将)の要望で、ウォラユットさんを不起訴にするよう検察、警察に圧力をかけたという一部報道を否定し、「私の一族はユーウィタヤー家の知り合いではない」と反論した。

 ウォラユットさんの事故をめぐっては、当時から警察などの不自然な対応が批判を浴びた。事故車のフェラーリは現場近くのユーウィタヤー邸に逃げ込んだが、捜査員は踏み込まず、数時間後、ユーウィタヤー邸の自動車整備係の男性が出頭、「自分がフェラーリを運転していた」と主張した。状況説明が出来なかったため、警察は虚偽と判断、男性を身代わりに仕立てる工作に関与した疑いがあるとして、所轄署の幹部警官が異動処分を受けた。ウォラユットさんは身代わり工作の失敗後、警察の取り調べに応じた。呼気からアルコールが検出されたが、事実上、不問に付された。

 当時のバンコク首都警察司令官は事故直後にユーウィタヤー邸を訪れ、「相手がどんな大物でも構わない。真犯人を捕まえられないなら辞任する」とたんかを切り、周辺にいた警官から喝采を浴びた。しかし、2016年になり、別の資産家による交通事故をきっかけに、ウォラユットさんの事件が再度注目を浴び、捜査がほとんど進展せず、起訴もされていないことが明らかになった。
《newsclip》


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