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前タイ国王重臣宅取り壊し 

2020年9月21日(月) 22時14分(タイ時間)
【タイ】タイの主要メディアは21日、昨年5月に98歳で死去したプレム・ティンスラーノン前枢密院議長(元首相、元陸軍司令官)の旧邸宅「バーンシーサオテウェート」が取り壊されたと、一斉に報じた。

 「バーンシーサオテウェート」は前議長の死後、陸軍から地主である王室財産管理局に返還されていた。

 「バーンシーサオテウェート」はチャオプラヤ川東岸の旧市街、国立図書館などの近くにある邸宅。プレム前議長は陸軍司令官だった1979年から死去するまでここで暮らし、タイ現代史の様々な舞台となった。枢密院議長当時は例年、年末年始やタイ正月、前議長の誕生日に、軍・警察の最高幹部が「バーンシーサオテウェート」を祝賀に訪れた。これは、軍・警察がプレム前議長を通じてプミポン前国王に忠誠を示す慣行とみられていた。2007年にはタクシン元首相派のデモ隊が「バーンシーサオテウェート」前で警官隊と衝突した。

 プレム議長は1920年、南部ソンクラー生まれ。1978~1980年に陸軍司令官、1980~1988年に首相を務めた。プミポン前国王の信頼があつく、1988年の首相退任時に枢密顧問官に任命されるとともに、「ラタブルット(国家功労者)」の称号を受けた。1998年から枢密院議長を務めた。2019年4月、前国王の長男であるワチラロンコン国王の戴冠式に出席し、王位継承がつつがなく行われたことを見届け、翌月、死去した。

 1980年代のプレム政権は非議員のプレム首相が特権階級や軍の威光を背景に長期政権を率いた変則的な政治体制で、「半分の民主主義」と呼ばれた。現在のプラユット政権は非議員のプラユット首相(元陸軍司令官)が親軍政党や事実上軍が任命した議会上院の支持で政権を運営し、プレム政権を踏襲した形となっている。

 プレム議長はタクシン元首相と対立関係にあると報じられ、タクシン派の一部は、プレム議長と枢密院がタクシン政権を追放した2006年の軍事クーデターとタクシン派インラク政権を倒した2014年の軍事クーデターの黒幕だと非難した。タクシン元首相は議長を「スーパーパワー」と呼んだとされる。

 「バーンシーサオテウェート」の取り壊しについてタイのネットユーザーは「歴史的な建物で、記念館として残すべきだった」、「生きているときは怖くて縮み上がり、死んだらこれよ」など様々なコメントを投稿している。
《newsclip》

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