オフラインでのEDI(電子データによる取引)システムについて
タイの国内ではこれまで上手く抑え込まれていた感のある新型コロナウイルスが、先月あたりからまた猛威を振るい始め、今年に入り再度在宅勤務に切り替えられている会社さんも出てきました。そう言った理由もあるのでしょうか、前回、タブレットPCの背面カメラを使用してQRコードの読み取りをおこなう機能についてお話をさせていただきました中で、同機能の拡張性としてオフラインでのEDIシステムについて少し触れさせていただきましたところ、その内容について何件かお問い合わせをいただきました。そこで今回はこのオフラインでのEDIシステムについて、詳しく説明させていただきたいと思います。
先ずEDI(Electronic Data Interchange)システムについて簡単に説明させていただきますと、その名の通り電子データによる相互交換ということで、取引先さんと電子データのやり取りをおこなうことにより業務管理システムへの入力作業の省力化とデータ品質の向上を図るというものとなります。一般的なケースでは得意先さんが構築したEDIシステムのサーバーにアクセスして受注データをダウンロードして、納品データをアップロードする、若しくはその逆に自社で構築したEDIシステムを仕入先さんにアクセスしてもらい同様の処理をおこなってもらうという方法があります。この他にも簡易的なEDIとして、Eメールにて発注データや納品データをテキストファイル化したもの(フォーマットはあらかじめ決めておく)を都度送受信するという方法もありまして、何れにせよネットを介して処理をおこないますので基本的にはオンラインでの処理となります。
それで、タイ国にてこのEDIシステムを実現させる場合、色々とクリアしないといけないハードルがございまして、1つには果たして取引先さんがこちらの意向通りシステムを使っていただけるかどうかということになります。具体的には自社で構築したEDIシステムの場合、発注データに対する納期回答や実際の納品データについては、全て仕入先さんが入力される形となる為、自社におけるメリットはかなり大きなものとなるのですが、これに対して仕入先さんからすれば、確かに受注データをテキストファイル等にダウンロードすることは出来るのですが、そのデータを自社システムにアップロードするにはそれなりの工数が必要になりますし、また納品データをEDIシステムに入力する作業については、自社システムに入力したものを再度入力しないといけない訳で、単純に考えてその分作業工数が増えてしまうことになってしまいます。この為仕入先さんの中には、EDIシステムの使用に難色を示されるところもあるということをよく耳にいたします。
また、仕入先さんの会社の規模も様々で、中には「うちはITスタッフが居ないから、コンピューターシステムなんか使えないよ」と言われるところもございまして、すべての取引先さんに何の問題もなくEDIシステムを使っていただくには、かなりの困難が予想されます。そこで弊社では様々なケースを想定して、EDIシステム対応がおこなえるように考えておりまして、前回説明いたしましたオフラインでのEDIシステムというのは、その中の対応策の一つとなります。この各ケースごとの対応案を具体的に説明しますと、以下のようになります。
1、発注書に印刷したQRコードでやり取りをおこなう場合
ローカルの仕入先さんで規模がそれほど大きくない場合、会計処理をアウトソーシングして社内ではコンピューターシステム自体を使用されていないケースもあり、その場合社内のPCの数やネット環境も十分ではなく、EDIシステムの使用を断られることも考えられます。この場合、先ず仕入先さんに送る発注書に発注書番号や品目コード、数量及び金額等の発注内容を格納したQRコードを書類上に印刷しておきます。もちろん仕入先さんではコンピューターシステム自体を使用していないのですから、QRコードを印刷されてきてもどうすることも出来ないのですが、仕入先さんがインボイスを発行される際に、関連する発注書とセットにして送ってもらうようにお願いします。そうすれば自社内の購買管理システムに仕入データを入力する際に、送り返されてきた発注書のQRコードを読み込むことにより、自動的に仕入データが作成され、入力作業の省力化を図ることが可能となります。
2、簡易的なインボイス発行システムを使用してもらう場合
上記のケースですと、仕入先さんの負担はほとんどなく(その代わりメリットも特にないのですが)簡単にEDIシステム(と呼べるかどうかはともかくも)の実現が可能となるのですが、残念ながら完全自動とは言い難く、インボイス番号や日付等は手入力しないといけないということと、それから分納のケースですと、数量の変更若しくは明細の削除を手入力で行わないといけないという制限がございます。そこでもう一歩踏み込みまして、仕入先さんに簡易的なシステムを使用していただくという方法が考えられます。具体的には仕入先さんの社内にシステム環境(とは言いましてもデータがそれほど大量で無ければ、1台のPCでまかなうことは可能です)を構築して、同システムで受注データの入力と、それに対するインボイスデータの入力及び発行をおこなっていただく方法となります。ただ、受注データについては前述のように発注書上にQRコードが印刷されておりますので、同QRをスキャンすることにより、システム内に自動取り込みがおこなわれ、インボイスデータについては関連する受注番号を選択(これもQRコードのスキャンで実現可能)することにより、自動的にインボイスデータが作成される形となり、仕入先さんの負担を最小限に抑えることが出来ます。同システムより発行されたインボイスにはインボイスの内容を格納したQRコードが印刷されますので、仕入先さんから送られた同インボイスのQRコードをスキャンすることにより、何の入力作業も不要で、自社の購買管理システムに自動的に仕入データがアップロードされる形となります。
3、仕入先さんの既存システムにQRコードを追加してもらう場合
現時点で特にコンピューターシステムを使用されていない仕入先さんであれば上記の方法でも問題は無いのですが、既にインボイス発行も含めた販売管理システムを使用されている場合ですと、既存のシステムに変更を行っていただく形がスムーズに受け入れられるかと思います。具体的にはインボイスの発行時にインボイスの内容を格納したQRコードを合わせて印刷してもらうだけですので、それほど大掛かりなシステム変更は必要なく、また受注データの入力時に発注書に印刷されているQRコードをスキャンする機能を追加することにより、手入力作業が不要になるという仕入先さんサイドのメリットもございます。
オフラインでのEDIシステムということですと、基本的に上記の3つの手法が考えられまして、これらの方法のメリットとしましては、オンラインで直接つながっている訳ではありませんので、データ漏洩やコンピューターウイルスの侵入等のセキュリティ面に気を使う必要が無いという点が挙げられます。また、最初に説明させていただいたように、環境面や作業工数の問題で、オンラインでのEDIシステムに難色を示される仕入先さんにも抵抗なく使っていただけるという点が大きいかと思いまして、これはペーパーレスと言いながらも、未だに紙を無くすことが難しいタイ国の特殊性を利用した仕組みであるとも言えるでしょうか。
この方式にも当然ながらデメリットはございまして、1つにはデータ量が多い場合、例えばインボイスが1日に数百枚も送られてくるようなケースですと、QRコードのスキャンだけで結構な作業になってしまいます。ただそれだけのデータ量を日々管理されている仕入先さんですと、恐らくはしっかりした販売管理システムを持たれていると予想されまして、その場合はインボイスデータをテキストファイルに落として、EDIシステムにアップロードする方式を採っていただく形でお願い出来ればと考えております。
上記のように、弊社では仕入先さんに合わせて様々な方式を用意することにより、微に入り細を穿ったEDIシステムの導入サポートをおこなっておりますので、タイ国では同システムを取り入れることは難しいのではないかと二の足を踏まれているお客様がいらっしゃいましたら、お気軽にお声をかけていただけますでしょうか。
BANGKOK TOKI SYSTEM CO., LTD.
住所:333 Lao Peng Nguan Tower 1, 17th Floor, Unit B1, SoiChaypuang,
Viphavadi-Rangsit Road, Chomphol, Chatuchak, Bangkok 10900
電話:0-2618-8310-1 ファクス:0-2618-8312 Eメール:toki@ksc.th.com
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《newsclip》
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