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それでもサイゴン暮らし

田舎で暮らす?

友人(日本人)が結婚を前提に付き合っている彼の実家に一泊の予定で遊びに行った時の話です。
彼の実家はサイゴンからバイクで3時間ほど、メコンデルタ周辺の小さな町の中でも更に細道を奥に進んだ自然の多い地域。家の回りを見渡すと椰子やバナナの木ばかりで、他に建物がなく、隣の家までもだいぶ離れているような、いわゆるベトナム南部の農家の家です。

彼の両親や兄弟たちと一緒に和やかに夕食を済ませた後、何気に床を見ると、今自分たちが使ったばかりの食器が置いてあり、それを犬がぺろぺろ舐めたり残飯を食べたりしていました。人間が食べ終わった後とは言え、同じ食器を犬も、、、。
ちょっと引きつつも、やる事もないし早めに寝てしまおうとお風呂場に案内してもらいましたが、場所は屋外。屋根なし壁なしの真っ暗闇の中に、1?くらいのセメント床をがあり、直ぐ横には雨水を貯めたと思われる大きなバケツが置いてあります。「これで水浴びしてね。」と笑顔の彼。ホットシャワーまではさすがに期待していなかったものの、これは、、、。「ちょっと風邪気味だから今日は止めとく。歯みがきだけでいいや。」と言い訳しつつその場を去る彼女。
気を取り直して台所の洗い場(といっても流し台はないので床)で歯磨きをしようと、飲み水用の瓶を覗くとたくさんの虫の死骸と埃のようなゴミが浮いています。これってさっきまでみんなで(自分も含め)飲んでた水、、、。信じたくないものを見てしまったものの否定できる証拠もなく、とりあえず自分が持ってきたペットボトルの水で歯みがきをする彼女。
そしてトイレは家の隣にある畑。穴が掘られているわけでもないので、「大」の時はどうするのか聞いてみたところ、ちょっと離れたところにある川に架けられた橋を指差す彼。そして「君は難しいかもしれないね。」と、また笑顔。「絶対に無理」という言葉を飲み込んで愛想笑いでごまかす彼女。幸い、到着後すぐにトイレについてはある程度の予想ができていたので、極力水分を控え、食事も少なめに取ったかいあって、橋まで行くことはなかったそうです。

翌日の早朝には家を出たため、実質の滞在時間は睡眠を入れても10時間程度。ご両親も兄弟もみんな良い人そうではあるけど、あの家だけはちょっと、、、。「もしかしたらそこで一緒に住む事になるかもよ。」と私が意地悪く言うと、「絶対にありえない!」と強く否定していました。
でもあの家に違和感なく馴染んでいた彼に、自分の気持ちをどこまで正直に話してよいものか彼女は悩んでいました。
文化や生活環境の違いとは言えばそれまでですし、結婚すればもっと大変な事があるかもしれないのですが、今の彼女にとってはかなりの大問題のようです。(聞いている私は結構面白がってます。)


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Le Tam An

99年よりホーチミン市在住。語学留学を経て、現地企業の社員に。夫、子供、犬とともにアパート暮らし

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