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それでもサイゴン暮らし

中秋節

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今年も中秋の名月の時期になりました。
ベトナムでの中秋節は子供のお祭りです。街には月餅とともに子供用の提灯が一緒に並んで売られます。赤いセロファンで作った船や飛行機などの古典的なものや、ピカチューやミッキ‐もどきのキャラクター物までいろいろな提灯がびっちりと道路上に並べられいます。当日、子供たちはこれにロウソクを灯し、ぞろぞ列を連なって歩く様は、日本のお盆に田舎のお墓参りにいく子供たちを思い出させます。

さて、毎年同じに見える月餅販売コーナーですが、今年は以前にも増して化粧箱が豪華になった気がします。日本では「簡易包装」があたりまえのこのご時世に、どうやって開けるのか分からないほど凝った箱や、階段状に陳列され見栄え良くなっている箱(上げ底)など、年々豪華になっていきます。

しかし中身の月餅は相変わらず。不味い。
あれほど不味いものを贈り合うベトナム人の本心がわからず、嫌がらせかと思えるほどの不味さです。
しかも高い。1つ3万ドン($$1.9)は安い方で、先日は有名店NhuLanの店先で15万ドン($9.4)もする高級月餅を見たときには自分の目を疑ってしまいました。月餅は4個入りの箱を贈り物にするのが主流ですので、もしこれだけを詰めたら60万ドン。工場勤めのワーカーの月給が半分以上なくなってしまいます。
まあ、普通同じ物を4個入りにはしませんし、何よりこんなものは個人ではなく会社が経費を使って購入しているので、一般人の懐にはあまり関係しないのですが。

ベトナム人の友人に、「本当にこれを美味しいと思っているの?」と聞いたところ、「美味しいかどうかが問題ではなく、みんなで分け合って食べるのが楽しいのです。」と言われたことがありました。さらに、相手(企業)が、どれだけ自分(会社)に対して評価しているかの目安にもなっているとの事。スーパーで売っているような庶民価格のものなのか、高級メーカーの物なのかは、贈る側には無言のランク付けがあり、受取る側も大事なバロメーターとしているようです。
ベトナム人はとても面子(メンツ)を重要視する国民ですが、それがそのまま社会にも反映し、月餅業界を成り立たせているような気もします。



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