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シームアン保険(東京海上火災保険)

The Sri Muang Insurance Co., Ltd.
中上川(なかみがわ) 秀一 氏 
取締役社長 (東京海上火災保険株式会社 バンコク首席駐在員)

タイの損保市場は日本の3%
――損害保険とは何でしょうか?
 大きく分けて「火災保険」「貨物保険」「自動車保険」「新種保険」があります。「火災」は、工場・倉庫、住宅などの火災が対象で、財物の損害を補償するだけでなく、得べかりし利益を補償する利益保険や、火災以外のさまざまな原因による損害を補償するオールリスク保険といったものも含まれます。「貨物保険」は、主に輸出入や国内運送中の貨物の損害を補償するもので、引っ越し荷物も対象になります。「自動車保険」は日本と同様、強制保険(いわゆる自賠責保険)と任意保険があり、補償内容も日本とほぼ同じです。「新種保険」は火災・貨物・自動車といった伝統的保険以外という意味で、多岐にわたります。代表的なものに、ケガを補償する傷害保険、賠償責任保険、盗難保険などがあり、タイでは必須のゴルファー保険があります。損害保険は英語で一般的に、「General Insurance」「Non-Life Insurance」と呼ばれるもので、損害保険以外では生命保険があります。

――タイの保険事情について
 タイの損害保険市場規模は、保険料で約2,000億円と日本の3%程度の規模しかありません。日本と比べて物価が低いため賠償水準も低く、保険自体が普及していないことが理由です。シェアは自動車保険が全体の55%を占めます。自動車産業の活気に支えられ、保険も順調な伸びてきています。次いで新種保険27%、火災保険14%、貨物保険4%と続いています。シェアの割合は日本と似通っています。この市場の中で、損害保険会社77社が競合していますが、多くは小規模なファミリービジネスで、上位20社が全体の70%以上を占めています。生命保険では、人口でみるとタイ全体の15%ほど、日本では複数の保険に加入する人が多く、100%を超えています。「的確な使用方法にのっとって商品を使用したにもかかわらず、事故になってしまった」などというリスクのための生産物賠償責任保険は、日本や欧米諸国ではいまや珍しくない保険ですが、タイにはまだありません。政府が現在、法を整備中です。

――もっとも多い事故は?
 やはり自動車事故です。日本では契約10件いただいて事故1件という確率の低さですが、タイでは、10件中10件といっても大げさではないほどの、事故の多さです。保険金目的の、偽装事故や偽装盗難の例も少なくありません。弊社の事故取り扱いは1日平均60件です。タイならではの事故としては、雨期の洪水で起こる水害事故が挙げられるでしょうか。

市場11位、日系損保でトップ
――御社概要をお聞かせください
 華人財閥のテチャパイブン家がシームアン保険を1946年に設立、71年以降は、同年に資本参加した東京海上が運営しています。お客様のあらゆるご要望に応えるべく、前述の損害保険を全般的に販売。2003年の元受保険料は15億7,000万バーツで市場11位、日系損害保険会社の中ではトップです。サトン通りエンパイア・タワー内の本店のほか、東部チョンブリ県シラチャー、北部チェンマイに支店を置き、両支店に日本人支店長を常駐させています。

――タイ進出の経緯について
 東京海上のタイ進出は61年にさかのぼります。当初はローカル保険会社に席を置いて営業を行う、「フロンティング営業」という形態をとっていましたが、日系企業進出が多くなるにつれ、このままでは十分なサービスが提供できないという判断のもと、71年にシームアン保険に資本参加しました。以降、日系企業関連投資の増加に支えられ、順調に業容を拡大。97年の経済危機の影響で一時、保険料が伸び悩みましたが、現在ではタイの好調な経済に支えられ、97年以前を大きく上回る保険料規模になっております。

――タイ国内の系列会社、提携会社など
 お客様をあらゆるリスクからお守りすることを使命と考え、生命保険も合わせてご案内しております。2001年にミレア・ライフ(タイランド)を設立、損害保険・生命保険を合わせてご案内できる体制となりました。ミレアというのは、東京海上のホールディング会社であるミレア・ホールディングから取ったものです。ミレア・ライフでは企業福利厚生の一環としての従業員様向け団体保険のほか、個人向け生命保険や、日本人の方々向け「J-Protect」を発売しております。

世界109都市のネットワーク
――御社の特徴について
 まず、充実した海外ネットワークです。東京海上は、世界41カ国・109都市に拠点を展開、駐在員134人、現地従業員3,500人という体制をとっております。お客様の海外進出や輸出などのお役に立つことができます。また、海外での企業活動には、予期せぬさまざまなリスクが伴います。海外で安定したお仕事をしていただくには、リスクを的確に分析し防災措置を取った上で、最適な保険を手配することが重要です。弊社は単に保険を売るだけでなく、防災リスク診断や物流安全サービスなどを通じ、地域に密着した、総合的なリスクマネジメントを提供しています。さらに、クレームの専門知識を有する日本人および現地従業員が、迅速かつきめ細かなクレームサービスを提供させていただいています。

――地場企業、地元タイ人向けのサービスは?
 弊社は歴史的に日系企業をお得意さまとさせていただいており、今後もこれに変わることはありませんが、5年前からタイの企業・個人向けの保険販売も開始いたしました。タイは価格競争が厳しいといえます。日本の方々は、セキュリティ(保険会社からの迅速な支払いなど)を重視しますが、タイの方々はまだまだ掛け金の額で加入先を選ばれる傾向があります。中には、いざというときに支払わなかったり、渋ったりする保険会社がありますので、注意が必要です。

――今後について
 より地域に密着した、タイでトップクラスの保険会社として、日本人・日系企業だけでなく、タイ人からも高い評価を受ける保険会社を目指したいと思っております。弊社の売り上げ(総保険料)は17億バーツ、今年は20%増を目指します。

――ありがとうございました。

住所:
40th Fl., Empire Tower, 195 South Sathorn Rd., Yannawa, Sathorn, Bangkok 10120
電話:0-2686-8888, 0-2686-8889(日本語)
ファクス:0-2686-8601〜2
ウェブサイト:http://www.srimuang.co.th


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