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ictus

杉山史明 氏 (President) 

ソフト面への注力が必要
――タイのIT市場について
 特にこの3年、IT(情報技術)への投資が活発です。インターネット人口を例にとって見ますと、99年が全人口(6,150万人)に対して1%だったのが、現在では全人口約6,400万人に対し約10%とかなりの勢いです。ちなみに日本は約60%です。投資が活発とはいえ、そのほとんどは、コンピュータを導入した、通信線を敷いた、インターネットにつないだ、などのハード面です。アプリケーションシステムのビジネスへの適用がこれからの課題です。

――インフラ面では?
 政府は今年、ADSL(非対称デジタル加入者線)を使った、低料金のブロードバンド(高速大容量)サービスに乗り出すといわれておりますが、まだ普及には時間がかかるでしょう。また、バンコク郊外に出てしまうと、専用線自体の敷設にも手間と時間が掛かるのが実状です。当社がいすゞの国内ディーラー100カ所をネットで結んだ2001年は、地方に出るとインターネットのアクセスポイントがなく、回線もすぐに切れるなど、かなり苦労しました。その後3年間でインフラも確実に整備されてきていますが、拠点間のネットワーク構築を伴うシステムをお考えの方は、早めに対応を始めることが必要です。

――タイ人のITに対する意識は?
 タイはITで遅れているといわれていますが、タイの大手企業などは常に世界最新のIT技術を導入するなど、日本や欧米諸国でも敵わない力の入れようです。しかし最大手以外、タイの全企業の80%は、ITを自らのビジネスに活用するさらなる努力が必要ではないでしょうか? また、日系企業は日本の本社が主導してIT環境を整えているので、一定のレベルを保っていますが、全体的に、マネジャークラスと一般スタッフの間に、ITに対する考え方で温度差があるように感じます。

システム開発から人材育成まで
――御社概要をお聞かせください
 1974年に、三菱商事が出資するいすゞの販売会社、Tri Petch Isuzu Salesのシステム部として始まり、Tri Petch Isuzu Sales社内やグループ企業のシステムを開発してきました。90年に今後はさまざまな業界に進出して外部のお客様を取り込んでいこうと、MC Software (Thailand)として独立、2002年に現社名ictus(イクタス)に変更しました。

――icutsの意味は?
 ラテン語語源の英語で「アクセントを付ける」などの意味です。「お客様の業務に当社がITを使ってアクセントを付けさせていただく」という思いで命名しました。さらに、「information」、「commerce」、「technology」、「universal, universe」、「solution」の頭文字をつないだものとご説明しております。

――主な業務について
 システム開発、コンサルタント、IT教育、ネットワーク構築、パッケージ/PC機器販売など、IT全般を取り扱っております。「One Stop Solution Provider」を掲げ、当社1社にご連絡をいただくだけでハードからソフトまで、ベストな組み合わせをご提供するという体勢を整えております。「ハードはこの会社に連絡、回線は電話会社に連絡」という、お客様の手間が省けます。

――過去のトラブルについて
 システム導入後に起きるトラブルとして、ハードディスクやネットワークの故障が挙げられます。ソフト面では、人的ミスによるトラブルでしょうか。現場管理とシステム管理の間で起こる、数値の食い違いなど運用上の問題です。入力を間違えば、正しい結果はでてきません。もちろん、システム自体のバグもないわけではありません。お客様にお渡しする前に、どれだけバグを消し込めるかも、システム導入後のトラブル回避につながります。いずれにせよ、システムは子供と同じで、育てていくことが大事です。ビジネスの変化に対応して、システムを変更していく必要がありますが、これを怠ると、業務の簡素化につながるどことか、足かせとなってしまいます。

人材確保に苦労
――IT人材について
 タイのIT技術者は約8万5,000人(内約2割は技能不足)で、実際の需要(約7万5,000人)に対して2万人程度不足しているといわれています。早急な人材育成が必要です。大学工学部を卒業してくる有能な人材にしても、ビジネスにITを適用するスキルが未熟で、一から育てていかなければならないのが現状です。また、IT技術者のスキルを評価する手段、資格制度はタイではようやくスタートしたところで、日本とタイをはじめとするアジア諸国(インド、シンガポール、韓国、中国、フィリピン、ベトナム)との間で、IT人材能力評価制度の相互認証も昨年締結されたばかりです。同制度は、人材を採用する側にとっても客観的に比較評価することが可能となるので、大変歓迎しており、速やかな普及を期待しております。

――人材確保の難しさは?
 インターネットで募集したり、大学のジョブフェアなどに参加したりすると、多くの人が興味を示してくれます。今年は約150人の求職者がありました。悩みはほかの業種同様、転職です。タイ国内での転職なら、給与体系や福祉条件の改善などで引きとめようがありますが、有能な人材になればなるほど、シンガポール、オーストラリア、米国などに活躍の場を求めるため、引きとめるのは困難です。また、1カ所に長くいると自分を伸ばすチャンスを失う、と思う人が多いようです。当社で育った人材も、タイ国内外で働いております。転職した彼らと一緒に仕事をする機会もあり、彼らの活躍ぶりを見ると本当に良かったと思いますし、転職も単純に当社にとってマイナスだけではないと思います。

――今後の事業展開は?
 系列会社からの仕事が全体の約70%に達していますが、系列以外のお客様にも積極的にアプローチしております。今年は新入社員を10人採用、社員数80人となり、体制は整ったと考えています。自社製パッケージ商品にも力を注いでいきます。また、タイで仕事をさせていただいていることから、タイ国内のIT関連団体との連携を通じて、タイのIT業界の人材育成に貢献できればと思っています。さらに、政府主導のプロジェクトへの参加が夢でしょうか。
――ありがとうございました

住所:
16th Floor, TRI PETCH ISUZU SALES BLDG, 1088 Vibhavadi Rangsit Road, Chatuchak, Chatuchak, Bangkok 10900
電話:0-2966-2260〜2, 0-2966-2713 ファクス:0-2966-2102
ウェブサイト:www.ictus.co.th
Eメール:kawahara@ictus.co.th (カスタマーサポート河原)


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