生産管理から政府系システムまで開発
日本とベトナムのシステム開発会社と提携
――タイで起業されたきっかけは?
日本で長らくシステム開発に携わり、独立を機にタイで起業しました。日本を含めアジア各国で事業化調査を行いましたが、投資事情、インフラ整備、労働力や宗教などを総合的に判断し、タイを選びました。2002年設立で、従業員は約10人です。システムの開発に関しては日本とベトナムのシステム会社と提携しております。
――開発製品、顧客について
工場の生産計画・管理をはじめとして、政府向けの特殊なシステムまで幅広く受注、開発しております。タイはメーカーが多いため、工場向けシステムがほとんどを占めます。日本からは一般企業はもちろん、銀行や政府機関、研究所などからもシステム開発の依頼を受けます。これまでに開発した製品の中には、論文を基に今までとは違った処理方式を採用した三次元のCAD(コンピュータ支援開発)システムや、監視カメラに映し出される映像を(人体、物体などと)個々に認識するシステムなど、珍しいものもありました。
――システム開発で難しいことは?
基本的にはこれまでの実績と経験を基にし、新規の技術に関しては論文などの関連文献を調べるなどして開発を行いました。三次元CADなどはお客様が博士号を取得された知識人だったため、そのような方々に対するプレゼンテーションが大変でした。
――受注のための営業方法は?
スタッフに任せるだけでなく、自らが開発に携わってより良いシステムを開発するようにしています。そうすることにより製品の評価を得、それを口コミで知っていただいております。
――システム開発で注目される国は?
中国、ベトナム、インドなどが、技術者の手配のしやすさやコスト的な魅力で注目されています。日本でシステムの仕様をまとめ、現地の会社に開発を依頼するパターンが一般的です。タイはこの数年、中国に押されていましたが、最近は盛り返しているようです。中国など、社会主義国ということもあり、動けばいいという意識があるのか、品質的に安い分それなりに問題が多いようです。
――そのような問題が発生する原因は?
基礎が疎かな状態であるにもかかわらず、小手先の技術で開発しようというところに、無理があるのではないでしょうか。簡単なシステムは作り込めても、大掛かりになると途端にボロが出てしまうようです。
――タイのシステム開発事情について
以前は日系など外資系が自社のシステム開発部門をタイに送り込み、それぞれのシステムを開発していました。ここ数年は地場の会社が急激に増えてきています。基礎をきちんと学ばずツールなどの目新しい技術をちょっと覚えてマスターしたつもり、というような、中国などと似たような問題を、タイも抱えています。インターネットなどで探すだけでも、基礎の勉強は可能です。
――日系の会社について
メーカーをはじめとするタイ進出日系企業の数からすると、それに対応する日系システム開発会社はまだ不足していると感じます。
パッケージ販売も強化 タイでさらなるシェアを
――人材確保で苦労しますか?
スタッフ募集の広告を出すと、一度に100人近い応募があります。そのうち履歴書の審査で残るのが20〜30人、面接・入社試験を通して採用となるのは1人か2人です。試験は面接のほか、こちらで用意したテストプログラムの製作などを行っています。採用後も、数カ月おきにスキルアップを確認しています。
――パッケージも販売されていますが?
納税申告書日本語化システムと電力監視システムを用意しております。納税申告書日本語化システムは、「経理課から上がってくる書類がタイ語なのでよく分からない」「内容を確認せずにサインしてしまうので問題が起きやすく、それを悪用される場合もある」という現場レベルからの声に応え、会計事務・コンサルティング会社のオーミとの共同開発した製品です。ポー・ゴー・ドーやポー・ポーなど、10種類以上に及ぶ納税申告書を日本語・タイ語で出力できるパッケージです。日本語・英語・タイ語などの他言語システムは、弊社が力を入れている分野でもあります。
――電力監視システムは?
タイでは電機機器販売のFuji Electric Technology(富士電機システムズ)の省エネ機器でご利用いただいております。使用電力量がある一定値を超えそうになった場合、優先度の低い負荷から電源を落として使用電力量をセーブする選択負荷遮断システム、電力料金の自動計算システムです。
――今後について
当面は現状維持でがんばっていきます。日本のお客様の比重が大きいので、今後はさらにタイでの市場開拓に努め、タイに貢献していきたいと思っております。
――ありがとうございました
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