ベンツ・トンロー・グループ財閥のライフワーク、タイのサグラダ・ファミリア
工期も費用も未知、無限の表現
――テーマパーク「エラワン象」建設のきっかけは?
人間、宗教、芸術、特に東洋のそれを表現するべく、建設しました。エラワン象は、インド神話のインドラ神が乗る神象で、タイでも同様に神聖化されています。経営はメルセデス・ベンツの地場系ディーラー、ベンツ・トンロー・グループで、中核事業とは別に、非営利事業として始めました。エラワン象のほか、東部チョンブリ県パタヤのサンクチュアリー・オブ・トゥルースがあります。中部サムットプラカン県のエンシェント・シティー(ムアンボラーン)も、傘下のテーマパークです。
――規模について
象本体は銅製で、高さ29メートル、土台を含めて43メートルとなります。重さは本体のみで450トンです。元々はタイ東部を流れるバンパコン川岸辺での建設を考えていましたが、ベンツ・トンロー・グループの自動車整備工場として所有していたこの土地を使用しました。面積は1.6ヘクタール(10ライ)で、もともと2ヘクタールありましたが、隣に建設中の高速道路の出入口で、3000平方メートル強を国に返納しました。スタッフは設計・工事関係者を含め80人です。ちなみにサンクチュアリー・オブ・トゥルースは、スタッフ総勢200人です。
――建設にかかる時間は?
エラワン象の建設は1994年に始まり、象本体は4年後に完成していますが、内部は工事がまだ続いており、全体的には95%の完成度です。仮に完工しても、新たな装飾、改修などを常に繰り返すため、最終的にいつ終わるか我々もわかりません。
――パタヤのサンクチュアリー・オブ・トゥルースもほとんど完成していないということですが?
84年に着工、皆様に見学していただける程度には完成していますが、最終的にいつ終わるのか、どういう形になるのか、費用はいくらかかるのかなど、全く決まっていません。
――そこまでして続ける意義は?
芸術に限界はありません。それを追うのであれば、時間や費用を限定できないということです。一族挙げてのライフワークです。
宗教上の天地を表現する内部
――内部について
土台内部が2階に分かれており、象内部が3階となっています。1階はオーナー一族の中国陶器、ベンジャロン焼き、アンティーク、仏像など宗教関連のコレクションが展示してあり、人間が住む地上を現しています。2階は天地へと向かう空間で、宗教をテーマとしたレリーフで統一。レリーフは、工場から仕入れる大量のベンジャロン焼き、食器、陶器などを粉々に砕き、その破片一つ一つをていねいに貼り付けています。柱が4本立っていて、それぞれ、仏教、キリスト教、ヒンズー教、イスラム教を表した彫刻を施していますが、ヒンズー教は作業が途中、イスラム教は手つかずです。天井には世界地図をイメージしたステンドグラスがあります。3階では、仏像を安置した天上を表現しています。
――タイで仏教以外の他宗教を表現するのは難しくありませんか?
その宗教の信者に、「いい加減な表現だ」などと言われることがあってはなりません。専門家を招いて、設計に参加してもらっています。天井のステンドグラスの設計・施工も、ドイツ人技術者の協力を得ています。
――見学者について
ほとんどがタイ人ですが、中国からのツアー客も増えてきました。1日当たり、平日で100人以上、週末は500人以上が訪れます。
――今後について
絶えることなく、増改築を続けていきます。見学に来られるたびに、どこかが変わっているでしょう。現在建設中のサムットプラカン県スクサワット方面から同県バンプリー方面に延びる高速道路が完成すれば、より見学しやすくなると思います。
――ありがとうございました
見学料:150B、敷地内入場のみは50B
住所:
99/9 Sukhumvit Road, Bang Muang Mai, Muang District, Samut Prakan 10270
電話:0-2371-3135〜6, 0-2380-0305 ファクス:0-2380-0304