間もなく雨期が明け、旅行に適したシーズンになる。年末年始を含めた乾期の旅行プランをそろそろ考えたいころだ。タイ国内では祭りなどの催しものが増え、ビーチリゾートもオンシーズンを迎える。タイ国外の周辺諸国にも、注目の観光地が多い。こうした場所への基点となる新バンコク国際空港(スワンナプーム新空港)の事情も気になるところだ。
タイ国内では、11月1日から1月31日まで、チェンマイ国際園芸博覧会が開かれる。いわゆる「花博」と呼ばれる国際的なイベントで、多くの集客が見込まれているが、工事の遅れなどが指摘されている。12月に入れば各施設の整備も終了すると思われ、年末年始には楽しめるようになるだろう。
11月はまた、全国で行われるロイ・クラトン(灯ろう流し)や東北地方(イサーン)のスリンの象祭りなど、伝統的な祭りが目白押しだ。タイの伝統文化と地方の情緒を、同時に満喫できる。在タイの方でもイサーンなど田舎に足を伸ばす機会は少ないので、こうしたイベントの際に、地方の魅力を知っていただきたい。
ビーチリゾートはやはり、南部サムイ島とプーケット島が各種設備、アクティビティを充実させており、家族連れで楽しめる。サムイはここ2−3年で、4つ星、5つ星の一流ホテルが10軒ほどオープン。新しいホテルでリゾートライフを楽しむことができる。サムイ島にはゴルフ場も完成、タイでは珍しい山岳コースが売りだ。タイ人ハイソ層にはすでに大人気となっている。「ビーチ+ゴルフ・リゾート」という過ごし方がサムイ島でも出来るようになった。
津波の被害からほぼ回復し、観光客も戻ってきたプーケット島はこの乾期、本格的に復活するだろう兆しが見えている。島内で遊ぶのもいいが、オプショナルツアーなどで行ける離れ島にも足を伸ばしたい。有名なのはコーラル島だが、その先のアンダマン海に出たところにあるラチャ島がおすすめだ。海の透明度とサンゴ礁の美しさは、クラビ県ピーピー島と同等かそれ以上。コンディションが良ければシュノーケリングでも40種類以上もの魚を観賞できる。もともとダイビングスポットとして知られた場所だったが、いまではリゾートホテルも建ち、一般的な観光客が訪れる場所となっている。
11月から、これまで運休していたバンコク−モルディブの直行便(バンコクエアウェイズ)が復活する。プーケット同様、津波の被害を受けたモルディブだが、いまでは完全に復旧、旅行に何ら支障はない。海の美しさは世界有数、このシーズン注目のディスティネーションといえそうだ。
年末年始は、近隣諸国の大都市で過ごすという手もある。例えばクアラルンプールは、ホテル料金がバンコクよりも安い。年末年始でも、プーケット島などタイ国内の観光地のように、特別料金は上乗せされない。リーズナブルな料金で高級ホテルに宿泊、シティリゾートを満喫できる。香港やシンガポールも同様だ。いずれも多人種がひしめく国際都市。さまざまな国の料理を味わえるというものも魅力だろう。
バンコクから気軽に行ける世界遺産、ラオスのルアンプラバンもお薦めだ。バンコクからの直行便があり、ホテルも整備されている。日本での知名度はまだまだ低いが、町全体が世界遺産に指定されたのはルアンプラバンが初。1−2泊で簡単に行ける場所だ。
ここ数年の展望としては、ミャンマーのビーチリゾートが開発されてくるとみている。すでに欧米人には認知されており、海の美しさは特筆ものだ。インフラ等が整えば、注目の観光地になる可能性を秘めている。
一方、プーケット島などタイ国内のホテルは、4月のタイ正月(ソンクラン)の時期には特別料金が加算されない。年末年始はタイ国外あるいは日本に里帰り、ソンクランやそのほかの連休はタイ国内のビーチリゾートというプランがいいだろう。
航空運賃に加算される燃料サーチャージだが、今後まだ値上がりすることが予想される。10月には日本航空をはじめとする航空各社が値上げを決定した。サーチャージの算出方法は航空各社によって異なり、それが利用者にとっては非常に不親切なものとなっている。そのため日本旅行業協会からは、サーチャージ制度を撤廃し運賃に含めてはどうかという要望を、航空各社に出している。これが通れば、利用者が混乱することも少なくなるのではないだろうか。
バンコク発の航空券は、今では混雑状況によって料金を変更するというシステムとなった。同じ便、同じエコノミークラスで料金に差があるという状況だ。早めに予約すれば安く買えるが、出発直前だと高額になってしまう。エアアジアをはじめ、インドシナ諸国をカバーするようになった格安航空会社のシステムに引きずられている面がある。日程か予算か、優先したい方を考えてプランを組みたい。
9月28日にオープン予定のスワンナプーム空港だが、やはり開港直後は混乱が予想される。新空港の利用、送迎の際には時間に余裕を持っておきたい。在タイ邦人が多く居住するスクンビット周辺からは、トラックなど大型車が多く走るバンナー地区を通過せねばならず、渋滞が激しくなるだろう。ラマ9世通りから北回りのルートで行ったほうが、むしろ早いかも知れない。
空港はとにかく広い。その敷地の広さばかりが強調されているが、その割にはトイレなどの設備が少ない。場所によってはトイレに行って帰ってくるまで1キロ歩かなくてはならないなど、港内の移動は大変である。
荷物の積み下ろしのための機材や人員が不十分で、空港に着陸したのに荷物が出てこない、飛行機に搭乗したのに荷物が積まれておらず離陸できない、といったケースが想定される。これを見越して、チェックインカウンターはフライトの1時間前に閉められてしまうという情報もある。開港からしばらくは、できる限り機内持ち込みの手荷物だけ、というのがよさそうだ。
こうした混乱は何もタイに限ったことではなく、クアラルンプールや香港、名古屋など、新空港がオープンするたびに発生している。すべては開港してからであろう。
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