執筆者
Jocundity Co., Ltd.
池田 敦志 氏 (Senior Manager)
タイ国内で2007年、違法コピー使用で摘発された企業は100近くあり、うち約20%が日系企業だったという。日系といえども、増産・増収が最優先される海外の現場では、親会社ほどのコンプライアンス(遵法義務)の意識の高さは維持できないようだ。摘発は莫大な罰金だけでなく、企業としての信用失墜というダメージを与える。違法コピー使用を監視・管理する「内部セキュリティ対策ソフト」を活用することにより、親会社、グループ、顧客から信頼される優良企業としての地位を維持することが、企業経営の重要なファクターとなる。
正規品流通率の低さも一因
世界の違法コピー使用状況を調査するビジネスソフトウェアアライアンス(BSA)によると、2007年のタイでの違法コピー率は78%(前年80%)、損害額は4億6800万ドル(同4億2100万ドル)だった。日本は前年比2ポイント減23%で、調査対象108カ国のうち下位4位だが、損害額は上位9位の18億ドル。最少の米国でも20%、損害額はトップの 80億4000万ドル、世界的には3ポイント増38%、損害額は21%増482億ドルというから、世界的に違法コピー使用撲滅の道のりは険しいといえる。
違法コピーの問題はコンピュータがオフコンと呼ばれる業務用電子計算機の形態から現在のいわゆるPC(1人に1台のコンピュータを配置)に変わったときに始まる。フロッピーディスクといった磁気ディスクやCDなどが開発されると、データが気軽にどこにでも持ち運べるようになり、犯罪という自覚のない違法コピーが氾濫するようなった。
タイ進出の日系企業の違法コピー率も、地場企業ほどではなくとも、やはり高いといえる。増産・増収が最優先で親会社ほどコンプライアンスの意識が高くないという事情もあるようだが、正規品が入手しづらいという問題もある。OSでもアプリケーションでも、日本語ソフトを必要する場合、ほとんどがシンガポール経由という流通経路を辿ってくるため、「納品まで45日です」などといった時間的ロスに悩まされる。仕事のことを考えると、「取りあえずその辺りで売っているコピーで」となってしまうのかも知れない。
管理者用端末1台で全PCを管理
正規品が手に入りにくいとはいえ、違法コピーの使用はやはり犯罪であり、企業としては改善していかなければならない。会社として正規品を購入していても、社内には何十、何百というPCがある中、一部では社員が勝手に違法コピーをインストールしたり、コンピュータを修理に出したPCショップで勝手にコピー品をインストールされていたりするのに気づかないという問題が発生する。それを監視・管理するのが、「内部セキュリティ対策ソフト」だ。
最近は使い勝手の良いタイプが販売されている。現在普及しているソフトのほとんどは、管理者用端末に親となるソフトを、管理される端末全てに子となるソフトをインストールしなければならないが、弊社がタイ国内販売代理店となっている製品は、管理者用端末にインストールするだけで、LANでつながった全てのPCを監視できる。違法コピーを発見した場合は、遠隔操作によるアンインストールが可能だ。
遠隔操作が可能ということは、当然のことながら操作するPCまで出向く必要がないということであり、「業務を中断する」といった無駄を省けると共に、何らかの理由で「そのような操作をその社員に知らたくない」といったときにも有効となる。
日本では今年度施行予定とされる金融商品取引法(J-SOX法)への対応もあり、誰もが口にする言葉と化したコンプライアイスだが、傘に例えると非常に巨大で、全てを覆い包む。コンプライアンスを守るということは、いかなる法も守り、いかなる不正も犯さないという意味だ。当然、違法コピーの使用は企業としては許されない。
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