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与党と密会、不正採用疑惑 盗撮ビデオでタイ憲法裁窮地に

2010/11/ 1 (00:30)| 主要ニュース  政治

【タイ】憲法に関する判断を下すタイ憲法裁判所が相次ぐスキャンダルに揺れている。憲法裁は近く、政党助成金の使途違反容疑で与党民主党の解党、党役員の公民権停止に関する判決を下す予定だが、憲法裁幹部職員と民主党国会議員の密談、判事による職員の不正採用を示すビデオが動画投稿サイトのユーチューブに流出し、判決前に信頼が大きく失墜した。民主党は「憲法裁に圧力をかけ民主党に解党命令を下させるための陰謀」と主張しているが、「物証」があるだけに反論は困難で、司法と与党は窮地に追い込まれた。

 最初のビデオはチャット憲法裁長官の側近であるパシット憲法裁長官秘書官と民主党のウィラット下院議員が民主党の解党裁判について密談した現場を撮影したもので、10月半ばにユーチューブで公開された。ビデオの中でウィラット議員は民主党を起訴したタイ選挙委員会の委員長に被告側証人として民主党に有利な証言をしてもらうよう、パシット秘書官に働きかけを依頼した。憲法裁は18日、司法の中立性に対する重大な疑いを招いたとして、パシット秘書官を解雇した。

 次のビデオは憲法裁判事とみられる男性2人とパシット秘書官が憲法裁職員の不正採用を隠す方法を話し合うという内容で、10月29日に公開された。判事が職員採用試験で裁判官の子弟、関係者に試験問題を事前に渡していた事実を示す盗撮ビデオをタクシン元首相派の野党プアタイに握られ、これを知った3人が「ビデオは偽造だと言い抜けよう」「元判事に罪を押し付けよう」などと話し合っている。

 一連のビデオの鍵を握るとみられるパシット氏は解雇直前に香港に出国し、以来、タイに帰国していない。

 タイの司法はタクシン派と反タクシン派の抗争が激化した2006年以降、タクシン派の政党を2度解党し、同派の首相2人を失職させるなど、一貫してタクシン派に不利な判決を下してきた。こうした経緯から、今回の裁判で反タクシン派の民主党が解党される可能性は低いとみられていた。しかし、相次ぐビデオの流出で、インターネット上には「汚職裁判官がタクシンの汚職を裁く? 笑いごとだ」といったコメントがあふれ、憲法裁に注がれる視線は非常に厳しくなっている。

 憲法裁が民主党解党、アピシット首相ら同党役員の公民権5年間停止に踏み切った場合、民主党は登録を済ませてある新党に議員を移籍させ、新首相を立てて政権維持を図る見通しだ。ただ、与野党の議席差が接近する上、連立パートナーの中小政党の動向が不透明で、政局の混乱は避けられない。


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