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イタリア人記者銃撃 消えた「最後の1枚」 姉が来タイ、協力訴え

2010/8/ 1 (18:44)| 主要ニュース  社会

【タイ】バンコクでタクシン元首相派の反政府デモが強制排除された5月19日、イタリア人カメラマンのファビオ・ポレンギさん(当時48)が胸に銃弾を受けて倒れ、搬送先の病院で死亡が確認された。銃撃を受けた当時フォビオさんが所持していたカメラと携帯電話が失われたため、「最後の一枚」が見つからず、ファビオさんの姉のイザベラさんが来タイし、情報収集に当たっている。事件当時、数メートル前にいて倒れるファビオさんを目撃した本紙記者もイザベラさんと面会、現場の写真を提供して死亡時の状況を説明し、今後の協力を約束した。

 ファビオさんが撃たれたのは午前11時ごろ、場所はラチャダムリ通りとサラシン通りの三差路の北側。デモ隊はラチャダムリ通りを北のラチャプラソン交差点方面に後退中で、治安部隊が少なくともルムピニ公園の斜め方向とロイヤルバンコクスポーツクラブの真横方向から発砲していた。

 本紙記者はファビオさんの数メートル前をラチャプラソン交差点方面に向かって小走りしており、真横から飛んできたゴム弾が目の前ではねたのが見えたため、後退りして振り返った瞬間、ファビオさんが横向きに倒れるのを見た。このときファビオさんが手にしていたカメラとその中に収まっているはずの写真が見つからず、イザベラさんが探している。イザベラさんはイタリアでスタジオカメラマンとして活躍。弟のファビオさんは姉の影響を受けて写真の道に進んだという。

 イザベラさんは事件直後、バンコクに駆けつけ、弟の遺体を引き取って火葬した。今回の来タイは2回目で、死亡時の状況の確認と遺品捜索の依頼で警察や法務省特捜局などを回り、オンアート首相府相らに面会した。

 本紙記者はイザベラさんが1回目に来タイしたとき、ファビオさんが倒れた直後の写真の全カットを提供。今回は面会して当時の状況を説明した。カメラに関しては、最初に駆けつけたタイ人がファビオさんのカメラを拾いあげるシーンが写っており、この人物が持っていったものと思われる。ただ服装や携帯品がメディア関係者やデモ参加者のそれとは異なっており、現場に紛れ込んでいた治安当局者ではないかという意見も挙がるなど、特定が困難な状況だ。

 撃たれた状況に関しては、ファビオさんの倒れ方、胸を貫通した銃創、本紙記者の目の前を横切ったゴム弾の方向が一致しており、ロイヤルバンコクスポーツクラブ側からの発砲を受けたはずだと伝えた。銃創の射入口が約5ミリということだったので、軍が使用するM16の口径5・56ミリとほぼ一致するのではないかと意見を述べた。

 イザベラさんは7月30日、FCCTで記者会見を開き、「現時点でカメラの行方に関する有益な情報はなく、今後さらなる努力が必要。皆さんの協力に感謝し、今後も支援をお願いしたい」と述べた。外国人記者の死亡をめぐっては、4月10日に死亡したロイター通信の日本人カメラマン、村本博之さんの死亡時の状況もあいまいなままで、国内外のメディアがタイ政府の今後の対応に注目している。


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