【タイ、カンボジア】タイのタクシン元首相がカンボジア政府の経済顧問を辞任したことが23日、明らかになった。辞任理由は「個人的な事情で職務を全うできないため」。タクシン氏の処遇や国境問題でカンボジアと対立するタイのアピシット首相は辞任について「いい知らせだ」と述べ、両国の関係修復に期待を示した。
カンボジアは昨年、タイで汚職で懲役2年の実刑判決を受け国外逃亡中のタクシン氏を政府顧問に任命。タイ政府はこれに抗議し、同年11月に駐カンボジア大使を引き揚げ、カンボジアも駐タイ大使を召還した。タイ政府はタクシン氏がカンボジアを訪問した際に身柄引き渡しを要求したが、カンボジア側はタクシン氏への有罪判決は政治的なものだとして、引き渡しを拒否した。
両国関係は今年に入っても好転せず、8月上旬にはカンボジアの山上遺跡プレアビヒアが国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録されたことに抗議し、タイの右翼団体がバンコクで数百人規模の集会を開催。会場でアピシット首相がカンボジアへの武力行使の可能性を示唆したことから、カンボジアが国連安全保障理事会にタイ政府を糾弾する書状を送付した。カンボジアはタイとの国境紛争で東南アジア諸国連合(ASEAN)や国連の調停を求め、法的に不利と見られるタイは2国間協議での解決を目指している。